結論:自宅で受けられるが、机の上に置けるものは2点だけ
福祉住環境コーディネーターの2級・3級はIBT方式が選べます。自宅や会社の自分のパソコンから、試験期間内の好きな日時に受けられます。手軽に見えますが、実際の運用は会場試験より厳しい面があります。
東京商工会議所が示す受験時の持ち物は、次の2点だけです。
- 本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど、第三者機関発行で原則として氏名・生年月日・顔写真が揃って確認できるもの。電子媒体やコピーは不可)
- スマートフォン・携帯電話(緊急連絡先として)
そして受験環境の条件に、次の1行があります。
受験者の周辺(机の上を含む)には、所定の持ち物や受験上の配慮申請で使用が許可された物以外の物が置かれていないこと
▶️ 「所定の持ち物」は上の2点です。 したがって、この2つを重ねると、筆記用具・メモ用紙・電卓・テキスト・飲み物は机の上に置けないという帰結になります。
⚠️ ここは商工会議所が品目を1つずつ禁止しているのではなく、持ち物が2点に限定され、それ以外を周辺に置けないと書かれているという構造から出てくる読み方です。必要な道具がある場合は、受験上の配慮申請という別の手続きがあります。
失格になる行為は20項目ある
東京商工会議所は禁止行為を列挙しており、該当した場合(該当すると疑われる場合を含む)は失格とされています。数えると20項目です。自宅受験ならではのものを抜き出します。
| 行為 | 自宅だとやってしまいやすい理由 |
|---|---|
| メモを取った場合 | 手元に紙とペンがある環境で、無意識に計算や整理を書く |
| 試験中に途中退席(トイレ退席を含む)した場合 | 自宅なので「すぐ戻れる」と思ってしまう |
| カメラに他の人が映り込んだ場合やマイクに他の人の声が入った場合 | 家族・同居人が部屋に入る/声をかける |
| 飲食した場合 | 机に飲み物を置く習慣 |
| 東商検定IBT受験ページ以外のページを閲覧した場合 | 通知が来たタブを見る |
| ブラウザ以外のアプリケーションを使用した場合 | 電卓アプリを開く |
| 試験終了ボタンを押す前に画面を閉じた場合 | 解き終えた安心でウィンドウを閉じる |
| 試験中に会話した場合 | 家族への返事 |
🔴 他者の映り込みは「ペットを含む」と明記されています。猫が机に乗るのも対象です。
🔴 トイレの明示が、90分という試験時間との組み合わせで効きます。会場試験なら退席できる場合がありますが、ここでは退席そのものが失格事由です。開始前に必ず済ませてください。
このほか、複数アカウントの作成、IBTとCBTの重複申込、本人確認・受験環境の確認が完了しない場合、試験中に上半身を常時録画・録音できない場合、所定以外の機器や持ち物の持込・使用、喫煙、援助の授受、代理受験、試験問題の複製や第三者への開示なども禁止行為に挙がっています。
受験環境の6条件
受験環境については、すべてを満たすことが求められる条件が6つ示されています。
- 待機開始から試験終了までの間、カメラに他者(ペット含む)が映り込まない、かつマイクに他者の声が入らないように空間を確保する
- 使用機器は机の上などに設置する
- 受験者の周辺(机の上を含む)に、所定の持ち物以外の物が置かれていない
- カメラで受験者の動作・本人確認書類・受験環境が確認できるよう適切な照明を点灯する
- 映像と音声を録画・録音するため、他者のプライバシーを侵害する可能性がある物などが録画・録音されないようにする
- イヤホン・マスク・腕時計・アクセサリー類を外し、すべてのポケットが空になっていること
▶️ 6番目の腕時計に注意してください。 90分の試験で時間を見る道具として時計を用意する人がいますが、外す側です。時間は画面で確認することになります。
⚠️ 公園、レストランなどの公共スペースや車中では受験できません。個室等の受験に適した環境が求められます。
機器の要件でつまずきやすい3点
申込前に確認が必要な要件のうち、後から気づくと間に合わない3つです。
① Safariでは受験できない
推奨ブラウザはGoogle Chrome、Microsoft Edge の最新版です。「Internet Explorer」「FireFox」および「Safari」での受験はできませんと明記されています。
▶️ Macで受けるなら、Chrome か Edge を入れておく必要があります。 OSはMacOS最新版が推奨に入っているので、Mac自体は問題ありません。ブラウザだけが引っかかります。
② タブレットとスマートフォンでは受験できない
受験機器はインターネットに接続されたコンピュータ(PC)です。タブレットやスマートフォンでの受験はできず、それらをカメラとして使うこともできません。
③ デュアルディスプレイ・複数モニターは使用不可
在宅勤務用のデュアルディスプレイ環境をそのまま使うと、禁止行為の「所定の使用機器や持ち物以外を持込、使用した場合」に触れます。外してから受けてください。
このほか、ネットワークは上り下りとも5Mbps以上が継続的に使える回線(目安10Mbps以上)、カメラ・マイク・スピーカーが必要で、ヘッドセットやイヤホンは使用不可です。マウスまたはタッチパッドも要ります。
▶️ 商工会議所は、使用予定の機器で受験が可能かどうか必ず動作確認を行うよう案内しています。申込前に済ませるのが手順です。
自宅の環境が整わないなら、個室を借りる選択肢がある
同居人がいて他者の映り込みを避けられない、PCや回線がない、という場合の逃げ道が公式に用意されています。2023年度から、快活CLUBの鍵付完全個室で東京商工会議所のIBT試験を受験できます。
⚠️ 受験料とは別に、利用時間に応じた快活CLUBの利用料がかかります。料金は店舗ごとに異なります。また鍵付完全個室は18歳未満および高校生は利用できません。受験可能な店舗は限られるので、公式の店舗一覧で確認してください。
▶️ もう1つの選択肢はCBT方式(全国のテストセンターで受験)です。こちらは受験料にCBT利用料2,200円が加算されます。環境要件を自分で満たせるかどうかで、方式を決めるのが素直です。
当日の流れは7ステップ
試験当日は次の順で進みます。
- 使用機器・受験環境と持ち物の確認
- 受験サイト(Excert)にログインし、受験する検定・級を選択
- 試験委員による本人確認と受験環境の確認(カメラを通じて本人確認書類で本人確認を行い、周囲360度を確認)
- 試験委員の指示に従って「試験を開始」ボタンを押す
- 全ての解答が終わったら「試験を終了する」ボタンを押す
- 試験結果画面で結果を確認
- デジタル合格証・成績表が発行され、登録メールアドレスへ案内が届く
🔴 試験開始時刻から15分以上経過しても試験が開始されない(開始ボタンが押されない)場合は受験できず、失格事由にも挙がっています。 本人確認と360度確認に時間がかかるので、開始時刻ちょうどにログインすると危険です。
⚠️ マスクや帽子は本人確認の際に一時的に外すことになります。
▶️ 3番目の360度確認があるため、部屋を片づけておく必要があります。壁に資料が貼ってあるだけでも確認に時間がかかります。
成績表は、落ちても届く
7番目は1行で流されがちですが、再挑戦する人には効きます。東京商工会議所は成績表についてこう書いています。
成績表は、試験の合否に関わらず、2024年度以降に以下の対象検定試験を受験したすべての方が対象です。 2026年度から、原則として試験終了後即時に確認いただけます。
そして中身は「公式テキストに準じた分野毎の得点状況」です。
▶️ 不合格でも、どの分野で落としたかが分野別に返ってきます。 分野別の配点は公表されていないので、自分の弱点を知る手段としてはこれが唯一です。次回の対策は、ここを起点に組めます。
⚠️ 2023年度以前に受験した人には提供されません。 また成績表を試験結果の証明書として使うことはできません。1級は試験結果公表日以降の公開です。
⚠️ 取得は受験システム(Excert)から行います(ログイン → 「試験結果」→ 該当回の「試験詳細」→「成績表を開く」)。試験要項側には登録メールアドレス宛に案内する旨も書かれています。
🔴 デジタル合格証は2026年度から様式が変わりました。 「証書番号」の記載が省略され、代わりに合格者情報を識別するIDが記載されます。証書番号が必要な場合は有料の合格証明書を申請することになります。勤務先へ番号つきで提出する必要がある人は、先に確認しておいてください。
⚠️ オープンバッジは2026年度試験回分で提供を終了し、2027年度以降の新規発行は行われません。
環境の心配を先に片づけて、演習に戻る
ここまでは当日の事故を防ぐための確認です。合否を決めるのは中身のほうで、2級・3級とも多肢選択式・90分・100点満点の70点以上という枠は変わりません。
ぴよパスでは福祉住環境コーディネーターのオリジナル予想問題を無料で公開しています。分野別に区切ってあるので、90分の配分を作る練習にも使えます。
⚠️ ぴよパスの問題は本試験の再現ではなく、出題範囲から独自に作成した予想問題です。
まとめ
- 持ち物は本人確認書類とスマートフォンの2点だけ。周辺(机の上を含む)に他の物を置けない
- 筆記用具・メモ用紙・電卓・飲み物が置けないのは、この2つの規定を重ねた帰結
- 禁止行為は20項目。該当(疑われる場合を含む)で失格
- メモを取る/トイレを含む途中退席/他者やペットの映り込み/飲食が自宅特有の落とし穴
- 受験環境は6条件。腕時計・イヤホン・マスク・アクセサリーは外す、ポケットは空に
- Safariでは受験できない(Chrome / Edge)。タブレット・スマホ不可、デュアルディスプレイ不可
- 環境が整わないなら快活CLUBの鍵付完全個室かCBT方式
- 開始時刻から15分で失格。360度確認があるので早めにログインする
- 成績表は不合格でも届く(2024年度以降の全受験者)。分野毎の得点状況が返るので再挑戦の起点になる
- 2026年度からデジタル合格証は証書番号ではなくID。番号が要るなら有料の合格証明書
出典
- 東京商工会議所「福祉住環境コーディネーター検定試験® 試験要項 IBT方式 2・3級」 — 受験に必要な機器と受験環境(推奨OS・推奨ブラウザ・ネットワーク・音声・備品、タブレット/スマートフォン不可、デュアルディスプレイ・複数モニター不可、ヘッドセット・イヤホン不可)、受験環境の6条件、受験時の持ち物(本人確認書類、スマートフォン・携帯電話)、個人申込から受験までの流れ、試験当日の主な流れ(本人確認と周囲360度の受験環境確認、デジタル合格証・成績表の発行)、受験できない場合の事由、禁止行為の一覧(20項目)
- 東京商工会議所「IBT方式とは」 — IBT方式の概要、快活CLUBの鍵付完全個室でのIBT受験(2023年度から、利用料は別途、18歳未満および高校生は利用不可)
- 東京商工会議所「デジタル合格証・成績表について」 — デジタル合格証の対象試験と確認方法、2026年度以降は証書番号の記載を省略しIDを記載する旨と有料の合格証明書への案内、成績表が合否に関わらず2024年度以降の全受験者を対象とすること・2026年度から原則試験終了後即時に確認できること・公式テキストに準じた分野毎の得点状況であること・試験結果の証明書として使用できないこと・1級は試験結果公表日以降であること・2023年度以前は提供がないこと、オープンバッジの2026年度試験回分での提供終了
編集部の見方:禁止行為の一覧を数えると20項目あり、その多くが会場試験なら成立しない種類のものです。特に「メモを取った場合」と「トイレ退席を含む途中退席」は、自宅で受けるという安心感と正面から衝突します。持ち物が2点に絞られていることも、品目を1つずつ禁止する書き方ではないため読み飛ばされがちです。机の上に何を置けるかは、この2点と「所定の持ち物以外を置かない」という条件から逆算する必要があります。Safariが使えない点は、Macで申し込んでから当日に気づくと詰むので、申込前の動作確認が実質必須です。








