公式統計: 最新の令和7年度は28.7% (令和6年度は24.1%)
消防試験研究センターが公表している試験実施状況によると、甲種1類の直近実績は次のとおりです。
| 年度 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和7年度 (R7.4〜R8.3) | 12,934人 | 3,707人 | 28.7% |
| 令和6年度 (R6.4〜R7.3) | 12,086人 | 2,914人 | 24.1% |
| 令和5年度 | 11,721人 | 2,619人 | 22.3% |
出典: 令和7年度 / 令和6年度 試験実施状況 (年度累計)
🔴 令和7年度に 4.6 ポイント上がりました。 22.3% → 24.1% → 28.7% と 3 年連続の上昇で、「4人に1人」だった水準は「3.5人に1人」に近づいています。それでも受験者 1 万人を超える主要区分の中では依然として最も低く、甲4 (34.5%)・乙6 (35.6%) とは 6 ポイント以上の開きがあります。
⚠️ ただし「甲種で最も低い」ではなくなりました。 令和7年度の甲種を低い順に並べると 甲2 27.2% → 甲1 28.7% → 甲3 31.6% → 特類 31.9% → 甲4 34.5% → 甲5 40.5% で、甲1 は下から 2 番目です。古い解説記事は令和6年度の順位 (甲1 が最下位) のまま書かれていることが多いので、比較の話をするときは年度を確かめてください。
他の類と比べてどれくらい難しいか
令和7年度の公表値で、主要な区分と並べてみます。
| 区分 | 受験者数 | 合格率 |
|---|---|---|
| 甲種2類 | 4,334人 | 27.2% |
| 甲種1類 | 12,934人 | 28.7% |
| 甲種3類 | 4,353人 | 31.6% |
| 甲種4類 | 21,819人 | 34.5% |
| 乙種1類 | 2,048人 | 28.5% |
| 乙種6類 | 32,400人 | 35.6% |
甲種1類は受験者1万人を超える主要区分の中では依然として最も合格率が低いグループです。人気の乙6 (消火器) と比べると約7ポイント、同じ甲種の4類と比べても約6ポイントの差があります。
⚠️ 甲2 (27.2%) と乙1 (28.5%) は甲1 より低い、または同水準です。 ただしどちらも受験者が 2,000〜4,300 人規模で、年度によるばらつきが大きい区分です。受験者 1 万人超という条件を外すと順位は毎年入れ替わるので、「◯類が一番難しい」という言い方は年度と母集団を添えないと意味を持ちません。
なぜ甲1は落ちやすいのか — 3つの要因
1. 製図で水理計算まで問われる
甲種共通の関門である製図は、1類の場合配管系統図とポンプ・水源の計算が絡みます。摩擦損失を考慮した全揚程、同時開放個数から求める水源水量など、「図が読める」だけでなく「数字が合う」ところまで要求されるのが甲4の製図との違いです。筆記が合格ラインでも製図の計算でつまずいて不合格になるパターンが典型です。
2. 規格数値の暗記量が多い
屋内消火栓だけでも 1号 (0.17MPa・130L/min・水平距離25m)・2号 (0.25MPa・60L/min)・広範囲型2号 (0.17MPa・80L/min) と規格が枝分かれし、スプリンクラーは湿式・乾式・予作動式・開放型で構造が変わります。似た数値・似た構造の区別がそのまま出題ポイントになるため、あいまいな暗記では選択肢を絞り切れません。
3. 「2つ目の甲種」として受ける人が多い
甲1受験者の多くは甲4や乙6を取ってからのステップアップ組です。前回の成功体験から「同じ勉強量でいけるだろう」と見積もると、水系特有の水理・配管の学習量に追いつかず不合格、というのがよくある失敗です。免除を使うと試験時間が短くなる一方で1問あたりの重みが増すことも見落とされがちです。
科目別の攻略順序
- 消防関係法令 (共通): 特定防火対象物・点検報告・着工届など、他の類と共通の頻出領域。得点源にしやすい
- 屋内消火栓・屋外消火栓の規格数値: 1号/2号/広範囲型の放水圧力・放水量・水源水量を表で固める。ここは製図の計算にも直結する
- スプリンクラーの方式と構成機器: 湿式/乾式/予作動式/開放型の違い、流水検知装置・末端試験弁の役割
- 基礎的知識 (機械・電気): ベルヌーイ・摩擦損失・三相誘導電動機。計算パターンは限られるので過去に解いた問題の型を反復
- 製図: 最後にまとめてではなく、2〜4 と並行して系統図を自分の言葉で説明できるようにする
当サイトの甲種1類 練習問題は、この順序で学べるようカテゴリを分けています。全問解説付き・無料で使えるので、規格数値の定着確認に活用してください。
まとめ
- 合格率は28.7% (令和7年度)・24.1% (R6)・22.3% (R5) と 3 年連続で上昇。それでも受験者1万人超の主要区分では最も低い
- 差がつくのは製図の水理計算と規格数値の正確な区別
- 甲4合格者でも水系の学習量を甘く見ると落ちる。共通法令の貯金を活かしつつ、構造・規格に時間を配分する
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