危険物乙3 の合格率は、消防試験研究センターの公表値で約 66% (令和 6 年度 66.3%)。乙4 の約 31〜35% と並べると「乙3 はずいぶん簡単そうだ」に見えます。
この読み方には落とし穴があります。この記事では、公表数字の構造と、乙4 → 乙3 のステップアップ戦略を整理します。
公表合格率には「科目免除受験者」が多く含まれる
乙3 の受験者には、大きく 2 種類の人がいます。
- 新規受験者 — 法令 15 問・物理化学 10 問・性質消火 10 問の 3 科目 35 問 (2 時間) を受ける
- 科目免除受験者 — 乙4 など他の乙種免状を持ち、科目免除で性質消火 10 問 (35 分) だけを受ける
乙3 のような「乙4 の次に取る類」は、後者の免除受験者が多いのが実態です。免除受験者は既に乙種試験に一度合格した学習経験者で、受験科目も 10 問だけ。公表合格率はこの両者を合算した数字なので、高く出るのは自然なことです。
なお、新規・免除の内訳別の合格率は公表されていません。「新規受験者だけなら◯%」という具体的な数字を語る情報源があれば、それは出典のない推測です。確かなのは上記の構造だけです。
「乙4 より簡単」と考えて新規で挑むのは危険
構造が分かると、実践的な結論はこうなります。
新規受験 (3 科目) で挑むなら、学習負担は乙4 と同等と見積もるべきです。法令と物理化学は乙4 と共通の内容で、性質消火だけが第 3 類 (自然発火性物質及び禁水性物質) に変わります。「合格率 66% の易しい試験」という前提で準備を薄くすると、乙4 と同じ 3 科目の壁にそのまま当たります。
合格基準は乙4 と同じ各科目 60% 以上の絶対基準です。合格率の数字がどうであれ、3 科目すべてを 60% に載せる準備をすれば合格し、届かなければ不合格になります。
最短ルートは「乙4 → 免除で乙3」
乙3 を取りたい人の多くにとって、最も効率的なのは先に乙4 を取り、科目免除で乙3 を受けるルートです。
- 乙4 は教材・解説・演習環境が最も充実しており、法令・物理化学を一度だけ学べばよい
- 乙種免状があれば、乙3 は性消 10 問・35 分の試験になる (願書に免状コピーを添付)
- 学習範囲は第 3 類の性状だけ。「水と空気のどちらに触れると危険か」を物質ごとに整理するのが核心
このルートの詳細な手続きと注意点 (10 問中 6 問ボーダーで 1 問の重みが大きいこと) は、乙3 の科目免除の記事にまとめています。乙4 とのダブル取得計画は乙4 と乙3 の違いの記事をどうぞ。
対策: どちらのルートでも演習で仕上げる
- 新規受験なら — 乙3 の練習問題 (全 174 問・解説付き)で法令 86 問・性消 88 問を回し、模擬試験 (Premium)で通し演習
- 免除受験なら — 性質・消火の練習問題 (88 問)だけに集中。10 問の本番に対して 88 問の在庫があるので、同じ物質を出題角度を変えて反復できます
まとめ
- 乙3 の合格率は公表値で約 66% (令和 6 年度 66.3%)。ただし科目免除受験者を多く含む合算値
- 内訳別の合格率は公表されていない。「新規なら◯%」という具体的数字は出典のない推測
- 新規 3 科目で挑むなら学習負担は乙4 と同等と見積もる。合格は各科目 60% の絶対基準
- 最短ルートは乙4 → 科目免除で乙3 (性消 10 問・35 分)
出典:
- 一般財団法人 消防試験研究センター 試験実施状況 — 合格率の公表値
- 一般財団法人 消防試験研究センター 試験科目及び問題数 — 科目免除の内容











