eco検定の教材が迷いやすいのは、買える本が少ないのに、選ぶ理由が見えないからです。公式テキストが 1 冊、公式問題集が 1 冊。それだけなのに「問題集だけでいいのでは」「テキストは分厚いから市販本で代用できないか」で止まります。
東京商工会議所は試験要項の「出題範囲・合格基準」欄にこう書いています。
公式テキスト(改訂10版)の知識と、それを理解した上での応用力を問います。出題範囲は、基本的に公式テキストに準じますが、最近の時事問題についても出題します。
この 1 文に、2 冊の役割分担と、2 冊とも埋められない領域が同時に入っています。
公式が名指ししているのは、テキストのほうだけ
| 公式テキスト 改訂10版 | 公式問題集 2026年版 | |
|---|---|---|
| 価格(税込) | 2,860 円 | 2,420 円 |
| 判型 | B5 | A5 |
| 中身 | 全 6 章 | 受験ガイド / 出題傾向・学習ガイド / 模擬問題 1〜5 / 解答解説 |
| 出題範囲の根拠 | 要項に版まで名指しされている | — |
| 本番形式の演習 | なし | あり |
🔴 公式問題集の目次には、章別のドリルが 1 問もありません。入っているのは模擬問題 5 回分と解答解説だけです。
これが効いてくるのは 2 周目です。模擬問題を解いて「気候変動とエネルギーが弱い」と分かったとして、問題集の中には戻って潰す場所がありません。次にできるのは、もう 1 回別の模擬問題を解くことだけです。
▶️ 逆に言えば、本番形式の通し演習は公式問題集にしかありません。2 冊は競合ではなく、範囲側と形式側で分業しています。
※価格・在庫は変動します。上記は Amazon アソシエイトのリンクです。版と対応年度は購入前に商品ページで確認してください。
教材費 5,280 円は、受験料とほぼ同額になる
2 冊そろえると 5,280 円。IBT 方式の受験料が 5,500 円(CBT はテストセンター利用料 +2,200 円)なので、教材費と受験 1 回分がほぼ並びます。
判断材料になるのは合格率です。
| 回 | 合格率 |
|---|---|
| 2025 年度 合計 | 54.7% |
| 第 40 回(2026 年度 第 1 シーズン) | 56.7% |
半分強は通る試験ですが、裏返すと 4〜5 割は不合格です。落ちてもう 1 回受ければ 5,500 円が追加でかかるので、「問題集を削って 2,420 円浮かせる」という判断は、期待値としては合いにくくなります。
旧版・中古を買うと、値段ではなく「範囲」が変わる
要項が指定しているのは 改訂10版です。ここが他の検定と違う点で、旧版を買うと安くなるのではなく、範囲そのものがずれます。
⚠️ 公式サイト自身が、テキストについてこう注記しています——「公式テキストP10にある『試験期間』は2025年度の情報です」。
つまり公式テキストは範囲を示すための本であって、日程などの運用情報までは追いかけていません。試験期間・申込期間は必ず公式サイト側で確認してください。第 41 回は申込が 2026 年 10 月 9 日 10:00〜10 月 20 日 18:00、試験期間が 11 月 12 日〜12 月 3 日です。
時事は、どちらの本にも載っていない
要項に「最近の時事問題についても出題します」と書かれている一方で、書籍の内容は刊行時点で固定されます。公式テキストは 2025 年 2 月、公式問題集は 2026 年 3 月の刊行です。
▶️ ここは本を買い足しても埋まりません。テキストの 6 章で扱われている枠組み(気候変動と脱炭素、エネルギー、生物多様性、循環型社会、化学物質など)について、試験期間の直前にニュースを一度なぞる、という運用で対応します。
公式サイトの「問題にチャレンジ!」に出ている例題も、パリ協定と京都議定書の違い、リユースの仕組み、SDGs と MDGs の関係といった枠組みの理解を問う形でした。細かい時事の暗記合戦ではなく、枠組みが分かっていれば読める出題です。
3 冊目を買うなら、公式テキストの「代わり」として選ぶ
公式テキストは範囲の定義が目的なので、覚えるための整理は読み手に委ねられています。分量に負けそうな場合の受け皿が翔泳社の 1 冊です。
⚠️ 公式テキストと 2 冊とも買うのは無駄が出ます。範囲の線引きを自分で裁定したいなら公式テキスト、効率よく 1 冊で通したいならこちら、という選び方になります。
章別の演習は、無料で足せる
公式問題集に無いのが「章別に潰す」工程でした。eco検定の練習問題 は公式テキストの章立てに対応した 6 カテゴリで 260 問を公開しているので、ここが穴埋めになります。
本試験の問題ではなく、出題範囲から独自に作成したオリジナル予想問題です。各カテゴリ 5 問までは登録不要で解けます。90 分・70 点判定の通し演習と期日つきの復習はプレミアム(月額 480 円)です。
東京商工会議所が合格者に聞いたアンケートでは、学習期間は「2 ヶ月以内」が 71.4%、進め方は「公式テキストを読み込んだ後、仕上げに問題集で予行演習」というパターンが多いと紹介されています。この流れの「読み込んだ後」と「仕上げ」の間に、章別の演習を挟む形になります。
章ごとの回し方は 予想問題 260 問の使い方 にまとめました。
出典
- 東京商工会議所「eco検定 試験要項」<https://kentei.tokyo-cci.or.jp/eco/exam-info/>(出題範囲・合格基準・受験料・試験期間)
- 東京商工会議所「eco検定 公式テキスト・問題集」<https://kentei.tokyo-cci.or.jp/eco/support/official-text.html>(価格・判型・目次)
- 東京商工会議所「eco検定 データ」<https://kentei.tokyo-cci.or.jp/eco/about/data.html>(合格率・合格者アンケート)
- 東京商工会議所「問題にチャレンジ!」<https://kentei.tokyo-cci.or.jp/eco/support/challenge/example.html>(例題)
いずれも 2026 年 8 月 24 日に確認しました。
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