指定数量は、乙4の法令でほぼ毎回問われる超頻出テーマです。やっかいなのは「ガソリンは何L?」と数字をそのまま聞かれるパターンと、「この貯蔵量は指定数量の何倍?」と計算させるパターンの両方が出ること。でも逆に言えば、品目ごとの数値を正確に覚えてしまえば、計算は割り算だけで片づきます。この記事は、まず覚えるべき数値そのものに絞って整理します。
法令は15問中9問取れば足切りを越えます。指定数量はそこに直結する論点なので、ここを固めるだけで法令の手応えが変わります。倍数を使った例題をたくさん解きたい人は 計算問題の例題集、計算対策の進め方は 計算問題対策の進め方 に分けてあります。
この記事で分かること
- 第4類の品目別 指定数量(数字そのもの)の一覧
- 数字を丸暗記せずに覚えるための語呂と考え方
- 「水溶性は非水溶性の2倍」になる理由と具体例
- 倍数計算の基礎(1.0倍・0.2倍という規制の境目)
独学の本命テキスト
危険物取扱者乙種第4類の独学で定番として評価の高い本命テキストがこちらです。
※価格・評価は変動します。改訂年(2024年以降推奨)を商品ページで確認してください。上記は Amazon アソシエイトのリンクです。
まず覚える: 第4類の品目別 指定数量
指定数量は「これだけの量があると、火災の危険が大きいので消防法で規制しますよ」という基準量です。危険なものほど少ない量で規制される=指定数量が小さい、と考えると数字の大小に納得がいきます。第4類(引火性液体)の代表値はこの7区分です。
| 品目区分 | 代表的な物質 | 指定数量 |
|---|---|---|
| 特殊引火物 | ジエチルエーテル、二硫化炭素 | 50L |
| 第一石油類(非水溶性) | ガソリン、ベンゼン | 200L |
| 第一石油類(水溶性) | アセトン | 400L |
| アルコール類 | メタノール、エタノール | 400L |
| 第二石油類(非水溶性) | 灯油、軽油 | 1,000L |
| 第三石油類(非水溶性) | 重油 | 2,000L |
| 動植物油類 | なたね油、ヤシ油 | 10,000L |
危険度が高い(引火点が低く燃えやすい)特殊引火物は50Lと最小、燃えにくい動植物油類は10,000Lと最大。引火点が低いほど指定数量も小さいという並びを意識すると、丸暗記が「理屈のある暗記」に変わります。
数値はこう覚える(語呂と考え方)
数字をバラバラに覚えると忘れます。次のように「2・5・10の関係」でまとめると定着しやすいです。
- 特殊引火物は 50 (一番危ないから一番少ない)
- ガソリン(第一石油類・非水溶性)は 200 = 50の4倍
- 灯油・軽油(第二石油類・非水溶性)は 1,000 = ガソリンの5倍
- 重油(第三石油類・非水溶性)は 2,000 = 灯油の2倍
- 動植物油類は 10,000 (一番燃えにくいから一番多い)
語呂で覚えたい人は「ご(5=50)く危ない特殊、フン(2=200)ガソリン、せん(1,000)で灯油、ふた(2,000)重油」のように、頭の数字だけ拾う形が軽くて使えます。語呂の作り方は 語呂合わせ も参考に、自分が忘れにくい形に作り替えてください。大事なのはガソリン200・灯油1,000・重油2,000の「身近な3つ」を最優先で固めることです。
水溶性は「非水溶性の2倍」になる
同じ第一石油類でも、非水溶性のガソリンは200L、水溶性のアセトンは400Lです。水に溶ける(水溶性の)危険物は、水で薄めて消火しやすいぶん危険度がやや下がるため、指定数量が2倍に緩和されます。
- 第一石油類: 非水溶性200L ↔ 水溶性400L
- 第二石油類: 非水溶性1,000L ↔ 水溶性2,000L
「水溶性は2倍」と一言で覚えておけば、表の数字が倍に増えるだけなので暗記量は実質増えません。試験では「アセトン(水溶性)の指定数量は?」と、あえて水溶性側を聞いてくるひっかけが出るので、品目名に水溶性/非水溶性の区別を必ず添えて覚えましょう。
倍数計算の基礎: 1.0倍と0.2倍の境目
指定数量を覚えたら、倍数は「貯蔵量 ÷ 指定数量」の割り算だけです。重要なのは、計算結果がどの境目を越えるかで規制が変わること。
| 倍数 | 扱い |
|---|---|
| 1.0倍以上 | 消防法の規制対象(製造所等として許可が必要) |
| 0.2倍以上〜1.0倍未満 | 市町村条例による「少量危険物」の届出対象 |
| 0.2倍未満 | 規制が緩やか |
例: ガソリンを300L貯蔵 → 300 ÷ 200 = 1.5倍。1.0倍以上なので消防法の規制対象です。
複数の品目を同じ場所で貯蔵するときは、品目ごとに倍数を出してから足すのが鉄則。「貯蔵量を全部足してから割る」のは間違いです。たとえばガソリン200L(=1.0倍)と灯油1,000L(=1.0倍)なら、合計2.0倍。算術平均ではなく単純な足し算で判定します。途中式つきの例題は 計算問題の例題集 にまとめてあります。
つまずきやすいポイント
- 数値だけ覚えて品目名と結びつかない: 「200L」だけ覚えても、それがガソリンか灯油か即答できないと得点になりません。必ず品目名とセットで覚えます。
- 水溶性と非水溶性を同じ数字にする: 水溶性は2倍。アセトン400L、第二石油類の水溶性2,000Lなどを取り違えないように。
- 複数品目を平均で計算する: 平均ではなく、各倍数の合計です。ここは 混同しやすい用語 でも触れる定番のひっかけです。
まとめ: ガソリン200・灯油1,000・重油2,000をまず即答
指定数量は、品目ごとの数値を正確に覚えることがすべての土台です。引火点が低いほど数量が小さい、水溶性は非水溶性の2倍、という2つの理屈を押さえれば、丸暗記の負担はぐっと減ります。倍数は覚えた数値での割り算にすぎません。
次の一手は、ガソリン200L・灯油(軽油)1,000L・重油2,000Lの3つを、品目名から数字を1秒で言えるまで口に出すこと。この3つが即答できれば、法令の指定数量問題の大半は取れます。仕上げに 危険物乙4のオリジナル予想問題160問 で、数値の暗記と倍数計算をまとめて確認してみてください。
出典:
- 一般財団法人 消防試験研究センター — 危険物取扱者試験 受験案内
- 危険物の規制に関する政令 — 指定数量

























































































































