消防設備士を取ろうと決めたとき、最初の壁が「乙4と乙6、どっちから受ければいいの?」です。どちらも乙種で受験資格がいらず、人気も高い。ネットを見ると「乙6が簡単」「いや乙4が役立つ」と意見がバラバラで、かえって迷いますよね。
結論から言うと、この2つは得意分野も、現場での使われ方も違う別の資格です。だから「どっちが簡単か」より「自分はどっちの設備を扱いたいか/どっちの基礎が得意か」で選ぶのが正解。この記事では、数値での難易度比較・仕事での需要・ダブル取得の順番まで、後悔しない選び方を具体的に示します。
この記事で分かること
- 乙4(自動火災報知設備)と乙6(消火器)が、設備としてどう違うか
- 試験科目の違いと合格率・学習時間の数値比較
- 「電気が苦手な人は乙6」など、タイプ別のはっきりした選び分け
- ビルメン・点検会社など、目指す仕事ごとにどちらが先か
- 両方取るなら、どの順番が一番ラクか(法令の重なりを活かす)
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まず設備の違い:乙4は「知らせる」、乙6は「消す」
一番の違いは、扱う設備の役割です。
- 乙4 = 自動火災報知設備(自火報)など。火災を感知して、ベルや受信機で人に知らせる「警報設備」。感知器・受信機・配線がからむので、電気の世界です。ガス漏れ火災警報設備なども範囲に入ります。
- 乙6 = 消火器。実際に火を消すための「消火器具」。構造はシンプルで、薬剤の種類・適応火災・点検手順といった機械・規格の暗記が中心。電気回路はほとんど出ません。
ざっくり言えば、乙4は「電気・配線を理解する試験」、乙6は「消火器という1つの道具を隅々まで覚える試験」です。
合格率・学習時間・試験時間の数値比較
実際の数値で2つを比べると、難易度の差のイメージが具体化されます。
| 項目 | 乙4 | 乙6 |
|---|---|---|
| 合格率 | 32〜36%(消防試験研究センター公表) | 35〜40%(同) |
| 学習時間の目安 | 80〜140時間 | 60〜100時間 |
| 試験時間 | 1時間45分 | 1時間45分 |
| 筆記問題数 | 30問 | 30問 |
| 実技(鑑別)問題数 | 5問 | 5問 |
| 受験料 | 4,400円 | 4,400円 |
| 合格基準 | 筆記各科目40%以上+全体60%以上+実技60%以上 | 同左 |
合格率は乙6がわずかに高く、学習時間も乙6の方が少なめの傾向です。ただし、これはあくまで平均値です。電気を得意とする人にとっては乙4の方が取り組みやすく感じることもあります。
試験科目の違いと、暗記のしやすさ
筆記はどちらも「消防関係法令/基礎的知識/構造・機能及び工事・整備」の3本柱ですが、中身の系統が違います。
| 項目 | 乙4 | 乙6 |
|---|---|---|
| 基礎的知識 | 電気(オームの法則・回路など) | 機械・物理 |
| 構造・機能 | 受信機・感知器・配線(電気系) | 消火器の構造・薬剤(機械系) |
| 実技(鑑別) | 配線図・機器の判別 | 消火器の写真判別・点検 |
| 範囲の広さ | やや広い(電気+設備) | 狭い(消火器に集中) |
ここが選び分けの核心です。
仕事・目的で選ぶなら
「資格を何に使うか」で決めるのも確実です。
| あなたの状況 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| ビルメン(設備管理)を目指す | 両方(乙6→乙4の順) | 現場で消火器も自火報も扱う。定番の組み合わせ |
| 消火器の点検・販売に関わる | 乙6から | 業務に直結 |
| 自火報・電気設備の会社にいる | 乙4から | 電気の知識が仕事と地続き |
| 電気がとにかく苦手 | 乙6 | 計算の負担が軽い |
| 履歴書に早く1つ書きたい | 乙6 | 範囲が狭く短期で狙える |
どちらを先に取るかの判断基準
乙4を先に取る方が向く人:電気が得意・第二種電気工事士を持っている・自火報関係の仕事に就く予定
乙6を先に取る方が向く人:電気が苦手・消火器関係の業務・試験形式に初めて挑む・ビルメンで両方必要だが効率優先
電気に苦手意識がない人にとっては乙4→乙6でも問題ありませんが、苦手な人は乙6で消防設備士の試験形式(筆記+実技鑑別)に慣れてから乙4に踏み込む方が、トータルの合格率が上がる傾向があります。
ダブル取得するなら順番がカギ
乙4と乙6を両方取る人は多く、ビルメン業界では定番です。効率よく取るコツは、消防関係法令が共通している点を活かすこと。
1つ目を取るときに法令をしっかり固めておけば、2つ目は法令の負担が大きく減り、設備固有の知識(電気 or 機械)に集中できます。続けて受けるほど、この「法令の使い回し」が効きます。間隔を空けすぎると法令を忘れて二度手間になるので、続けて受けるのがおすすめです。
なお、消防設備士には他の類や電気系資格を持っている場合の科目免除制度もあります。免除の範囲は類や保有資格によって細かく決まっているので、自分が対象かは 乙4の受験資格と科目免除 で確認してください。
やりがちな失敗と回避策
- 「簡単な方」だけで決めて、苦手な系統を選ぶ → 合格率の差は数%。電気が得意か機械が得意かで決める。苦手分野からだと挫折しやすい。
- 乙4と乙6を同じ試験だと思って同じ対策をする → 設備も科目の系統も別物。教材も分けて用意する。
- ダブル取得の間隔を空けすぎる → 法令を忘れて勉強し直しになる。1つ目の合格後、早めに2つ目へ。
まとめ
乙4と乙6は「どっちが簡単か」で選ぶものではありません。合格率の数値差(乙4:32〜36%、乙6:35〜40%)は確かに乙6が上ですが、電気が得意なら乙4の方が取り組みやすく感じる人も多い。自分の得意分野と目指す仕事を起点に選ぶのが後悔しない方法です。
ビルメンなど両方欲しい人は、範囲の狭い乙6から入って自火報の乙4へ進むと、法令を使い回せて効率的です。次の一歩として、まずは自分が電気の計算に抵抗があるかどうかを、乙4の予想問題を1〜2問解いて確かめてみてください。
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出典:
- 一般財団法人 消防試験研究センター 消防設備士試験 — 試験概要・出題範囲・合格率統計
- 消防法第 17 条の 5 (消防設備士の区分) — 甲種・乙種の規定








































































































































