先に結論:申し込めるのは6つのうち2つだけ
「特別会員一種外務員資格」という名前を見つけて、一種より上の資格かと思って調べ始めた場合、その試験は一般の方が申し込むことはできません。
日本証券業協会は外務員資格についてこう書いています。
外務員資格は、現在、取り扱える業務等の種類に応じて、6つに分かれています。
そして6つは、受験できるかどうかで3つの群にきれいに分かれます。
| 資格名 | 一般の方が受験できるか | |
|---|---|---|
| ① | 一種外務員資格 | 受験できる |
| ② | 二種外務員資格 | 受験できる |
| ③ | 特別会員一種外務員資格 | 受験できない |
| ④ | 特別会員二種外務員資格 | 受験できない |
| ⑤ | 特別会員四種外務員資格 | 現在、試験を実施していない |
| ⑥ | 信用取引外務員資格 | 現在、試験を実施していない |
2つずつ、3群です。個人が自分の意思で受けられるのは①と②だけで、残りの4つは「受けられない」か「試験が存在しない」のどちらかです。
▶ これから勉強を始める人が選ぶのは、実質的に一種か二種かの二択です。それ以外の名前が出てきても、比較検討の対象にはなりません。
⚠️ この6分類は、協会のページ本文には「6つに分かれています」としか書かれておらず、内訳は本文中の図の中にしか載っていません。ページを流し読みすると6つの名前が目に入らないので、「特別会員一種」だけを別の場所で見つけて混乱する、ということが起きます。
「特別会員」は資格の等級ではなく、所属先の区分
一種・二種と、特別会員一種・特別会員二種は、名前が似ているので上下関係のように見えます。そうではありません。
協会は外務員をこう定義しています。
外務員とは、協会員(本協会に加入している証券会社や銀行等)に所属している役職員のうち、顧客に対して金融商品の販売・勧誘等を行う者をいいます。
協会員には証券会社と銀行等の両方が含まれます。そして協会は、転職時の注意としてこう書いています。
転職後も資格は有効ですが、特別会員一種、特別会員二種及び特別会員四種の資格は、証券会社の外務員資格としては有効ではありません。
▶ 特別会員の資格は証券会社では通用しない、と明記されているので、特別会員は証券会社ではない側 —— 協会員のうち銀行等 —— に対応する区分だと読めます。等級の違いではなく、どの種類の金融機関に所属して働くかの違いです。
この非対称は実務で効きます。銀行で特別会員の資格を取った人が証券会社へ移ると、その資格はそのままでは使えません。逆向き(証券会社の一種・二種)については、協会は「退職した場合や他の協会員へ転職した場合でも資格は有効です」としており、この制限の対象になっていません。
⑤と⑥は「難しい資格」ではなく、試験が無い
⑤特別会員四種外務員資格と⑥信用取引外務員資格は、現在、試験そのものが実施されていません。受験の難易度が高いのではなく、入口が閉じています。
似た例として、協会は廃止された資格についても書いています。
現在、投信債券外務員資格(2002年3月31日廃止)は無効となっております。
ただし救済の記載が続きます。
なお、投信債券外務員資格を保有されている方で、1999年3月~2002年3月の間に、二種外務員資格認定研修を受けて、二種外務員資格を取得された方は、現在も二種外務員資格として有効です。
▶ 廃止された資格そのものは無効だが、期間内に認定研修を経て二種へ移行した人は今も二種として有効、という2段構えです。「廃止された」と「無効になった」は同じではないので、ここは分けて読みます。
受験できる2つの違いは、扱える商品の範囲
①と②の関係だけは、上下があります。
| 二種外務員資格 | 一種外務員資格 | |
|---|---|---|
| 位置づけ | 基本の資格 | 二種の上級資格 |
| できること | いわゆる現物株式などの外務員の職務 | 二種でできる職務に加え、信用取引・デリバティブ取引を含めたすべての有価証券に係る職務 |
| できないこと | 信用取引、デリバティブ取引などリスクの高い商品についての職務 | ― |
二種で線が引かれるのは「リスクの高い商品」です。協会の書き方でも、二種が扱えないものとして信用取引とデリバティブ取引が名指しされています。
一種と二種のどちらを受けるか、範囲がどれだけ増えるか、併願できるかといった判断は一種と二種の違いで扱っています。
資格に受かっただけでは外務員になれない
もう1点、名前からは読み取れない仕組みがあります。
外務員資格を持っているだけでは、外務員として活動することはできません。
外務員として働くには、資格試験に合格したあと、所属する協会員を通じて協会へ外務員登録を申請し、登録を受ける必要があります。協会はこの登録業務を国から委任されています。
▶ 試験合格=資格の付与、外務員登録=働く許可、と2段階で分かれています。個人で受験して合格しても、どこにも所属していなければ登録は行われません。資格は取り消されずに持ち続けられるので、就職前に取っておくこと自体は問題ありません。
登録後の更新研修(5年ごと、新規・再登録は180日以内)と、受講しなかった場合に資格が停止・取消しになる流れは資格の有効期限と更新研修で扱っています。
覚えるべきことは3つだけ
- 6種類あるが、一般の人が申し込めるのは一種と二種の2つ
- 特別会員は等級ではなく所属先の区分。証券会社では通用しない
- 資格の付与と外務員登録は別の段階
これ以外の名前(特別会員四種・信用取引外務員資格)は、現在試験が無いので学習の対象になりません。
演習は、受験できる2つで
ぴよパスが問題を用意しているのは、実際に受験できる一種と二種の2つだけです。特別会員向けの試験問題は扱っていません。
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- 証券外務員一種の練習問題 — 全310問。二種の範囲に加えてデリバティブが入る
二種は金融商品取引法から関連科目まで6分野、一種はデリバティブ取引を含む4分野の構成です。どちらを受けるか決めていない段階なら、範囲の狭い二種の問題を数問解いてみるのが早い判断材料になります。
出典
- 日本証券業協会「外務員」(外務員の定義、外務員資格の種類が6つであること、種類の内訳と一般の方の受験可否を示す図、一種と二種の職務範囲、投信債券外務員資格の廃止と二種への移行、特別会員一種・二種・四種が証券会社の外務員資格として有効でない旨、外務員登録の位置づけ)
2026年8月26日に確認しました。制度は改正されることがあるので、受験前には協会のページで確認してください。











