結論: 第2問は「満点より部分点」、6系統を浅く広く押さえる
簿記3級の第2問は 配点20点、多くは問1・問2の2問構成です。第1問 (仕訳15問・45点) と第3問 (精算表/財務諸表・35点) に比べると配点が低い一方、出題範囲が広く「何が出るか読みにくい」ため、対策しづらい大問として知られています。
ただし、第2問を丸ごと捨てるのは危険です。20点を放棄すると、第1問と第3問でほぼ満点を取らないと合格基準 70点 に届かず、本番の余裕がなくなります。第2問は満点を狙う大問ではなく、解ける小問の部分点を確実に拾う大問だと捉え直すのが現実的な戦略です。
| 大問 | 出題内容 | 配点 | 時間目安 | ねらう得点イメージ |
|---|---|---|---|---|
| 第1問 | 仕訳15問 | 45点 | 15分 | 満点〜高得点を狙う |
| 第2問 | 補助簿/勘定記入/伝票/理論など | 20点 | 10〜15分 | 部分点を拾う (目安6割前後) |
| 第3問 | 精算表/財務諸表 | 35点 | 25〜30分 | 手順習熟で安定得点 |
第2問で出題される内容は、おおむね次の 6系統 に整理できます。本記事ではこの6系統それぞれの解き方と頻出ポイントを表で網羅し、最後に部分点の拾い方をまとめます。
第1問・第3問を含む試験全体の構成は、別記事の簿記3級とはを参照してください
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第2問で問われる6系統を一覧で押さえる
第2問は「補助簿だけ」「伝票だけ」と決まっているわけではなく、回ごとに次の系統から組み合わせて出題されます。まず全体像を頭に入れます。
| 系統 | 代表的な問われ方 | 難易度の体感 | 部分点の取りやすさ |
|---|---|---|---|
| 1. 補助簿の選択・記入 | 取引がどの補助簿に記入されるか○を付ける/補助簿へ記入する | 低〜中 | 取りやすい |
| 2. 勘定記入 (T勘定・総勘定元帳) | 資料からT勘定を完成させる/次期繰越を記入する | 中 | 中 |
| 3. 商品有高帳 | 先入先出法・移動平均法で払出単価と残高を埋める | 中 | 中 |
| 4. 固定資産台帳 | 台帳から減価償却・帳簿価額を読み取り勘定へ転記 | 中〜高 | 中 |
| 5. 伝票会計 | 3伝票制で起票/仕訳日計表へ集計 | 中 | 中 |
| 6. 語句補充 (理論) | 文章の空欄に正しい用語・勘定科目を補う | 低〜中 | 取りやすい |
編集部の見立てでは、第2問が苦手な人ほど「6系統すべてを完璧にしよう」として時間が足りなくなります。まずは 正答しやすい系統 (補助簿の選択・語句補充) を取りこぼさず、残りの系統で部分点を積む順番が、配点20点を効率よく回収するコツです。
第2問を含む12週の学習配分は、別記事の初心者ロードマップを参照してください
系統1: 補助簿の選択・記入
補助簿は、総勘定元帳を補う明細帳簿です。第2問では「この取引はどの補助簿に記入されるか」を選ぶ問題と、補助簿そのものへ記入する問題が出ます。
主な補助簿と記入される取引
| 補助簿 | 記入される取引の例 |
|---|---|
| 現金出納帳 | 現金の入金・出金 |
| 当座預金出納帳 | 当座預金の預け入れ・引き出し・当座借越 |
| 売上帳/仕入帳 | 商品の売上・仕入 (返品・値引を含む) |
| 売掛金元帳 (得意先元帳) | 掛け売上・売掛金の回収 (得意先別) |
| 買掛金元帳 (仕入先元帳) | 掛け仕入・買掛金の支払 (仕入先別) |
| 受取手形記入帳/支払手形記入帳 | 手形の受取・振出・決済 |
| 商品有高帳 | 商品の仕入・売上 (数量・単価・金額) |
| 固定資産台帳 | 固定資産の取得・減価償却・売却 |
補助簿の選択問題で外さないコツ
「次の取引はどの補助簿に記入するか、該当するものすべてに○を付けなさい」という形式は、1つの取引が 複数の補助簿に同時に記入される 点が落とし穴です。
| 取引例 | 記入される補助簿 (複数) |
|---|---|
| 商品を掛けで仕入れた | 仕入帳 + 買掛金元帳 + 商品有高帳 |
| 商品を現金で売り上げた | 売上帳 + 現金出納帳 + 商品有高帳 |
| 建物を購入し小切手を振り出した | 当座預金出納帳 + 固定資産台帳 |
1つの取引を仕訳に直し、借方・貸方それぞれの勘定が動く補助簿 を漏れなく挙げると、付け忘れを防げます。減価償却の取引なら固定資産台帳が絡む、といった対応関係を意識すると精度が上がります。
補助簿の選択は「その帳簿が何を追っているか」で決まる
補助簿の選択問題でいちばん多い失点が、記入すべき帳簿を 1 つ落とすことです。防ぎ方は暗記ではなく、それぞれの帳簿が何を追いかけているかを持つことです。
| 帳簿 | 追っているもの |
|---|---|
| 現金出納帳 | 現金の増減 |
| 当座預金出納帳 | 当座預金の増減 |
| 仕入帳・売上帳 | 仕入・売上の明細 |
| 受取手形記入帳・支払手形記入帳 | 手形債権・債務 |
| 売掛金元帳 (得意先元帳)・買掛金元帳 (仕入先元帳) | 掛けの増減 |
| 商品有高帳 | 商品の在庫 |
追っているものが違うので、1 つの取引が複数の帳簿に入るのが普通です。
例として「掛けで仕入れた商品を返品した (仕入戻し)」を分解すると、
- 仕入の明細が変わる → 仕入帳(戻し高として記入し、月末に総仕入高から控除)
- 買掛金が減る → 買掛金元帳
- 商品が仕入先へ戻る → 商品有高帳(払出欄に原価で記入)
の 3 つに入ります。「仕入帳のみ」「仕入帳と買掛金元帳」という選択肢は、在庫や債務の動きを落としているので誤りです。
🔴 「商品が動いたか」「債権債務が動いたか」「現金預金が動いたか」を毎回チェックすれば、落とす帳簿がなくなります。
補助簿は「補助記入帳」と「補助元帳」の 2 種類 — 聞かれ方が変わる
帳簿はまず主要簿 (仕訳帳・総勘定元帳) と補助簿に分かれ、補助簿はさらに 2 つに分かれます。この区別が分かると、どの帳簿でどう問われるかまで予想がつきます。
| 区分 | 何を記録するか | 例 | 典型的な問われ方 |
|---|---|---|---|
| 補助記入帳 | 特定の取引の明細を発生順に | 現金出納帳・当座預金出納帳・仕入帳・売上帳・手形記入帳 | 月末残高の計算 / 記入から取引を推定 |
| 補助元帳 | 特定の勘定の内訳 | 売掛金元帳・買掛金元帳・商品有高帳・固定資産台帳 | 総勘定元帳との一致 / 相手先別の残高 |
理論問題では「仕訳帳と総勘定元帳は補助簿である」(誤り。主要簿)、「現金出納帳は補助元帳である」(誤り。補助記入帳) という形で狙われます。発生順に並ぶなら記入帳、誰の・どの品目のという内訳なら元帳、と分けてください。
補助元帳の合計は、総勘定元帳の勘定残高と必ず一致する
第2問でいちばん使える 1 行がこれです。
総勘定元帳の売掛金勘定の残高 = 売掛金元帳の各得意先勘定 (人名勘定) の残高の合計
買掛金でも同じで、買掛金元帳の各仕入先の残高合計が総勘定元帳の買掛金勘定の残高になります。元帳は内訳なのだから当然の関係ですが、これが 2 通りに使えます。
- 逆算に使う: 得意先が 3 社で総勘定元帳の売掛金が 480,000、函館 210,000・小樽 150,000 と分かっていれば、釧路は 480,000 − (210,000 + 150,000) = 120,000
- 検算に使う: 得意先別に出した残高を合計して総勘定元帳と突き合わせれば、記帳漏れが見つかる
人名勘定の記入ルールは統制勘定と同じです。買掛金は負債なので、掛け仕入れ (増加) は貸方、支払いや返品 (減少) は借方。「南北商店勘定の借方に記入されるものはどれか」と聞かれたら、南北商店への支払いを選びます。掛け仕入れを借方と答えるのが定番の誤答です。
得意先ごとに計算しても全社まとめて計算しても答えは同じなので、問われているのが「総勘定元帳の残高」なら合算、「◯◯商店の残高」なら 1 社分と読み分けてください。月初 200,000 + 掛け売上 500,000 − 回収 430,000 − 返品 10,000 = 260,000 のように、合算の方が速いことが多くなります。
残高計算は「月初残高 + 増加 − 減少」— 落とすのはいつも月初
補助簿の月末残高を求める問題は、計算そのものは足し引きだけです。失点は決まって次の 2 つに集中します。
- 月初残高を足し忘れる (当月分だけで計算してしまう)
- その帳簿が拾わない取引を混ぜる (売掛金元帳に現金売上を入れる、など)
1 は選択肢に必ず用意されています。売掛金元帳で月初 90,000・掛け売上 150,000・回収 110,000 なら答えは 130,000 ですが、月初を落とした 40,000 が誤答として置かれます。計算を始める前に月初残高を書き写すところまでを手順にしてしまうのが確実です。
手形記入帳から総勘定元帳の残高を出すときは、金額を足す前にてん末欄を見ます。てん末欄に記入がある手形は決済済みで残高に入らず、記入が無いものだけが残高になります。満期日がまだ到来していない手形は当然残ります。
帳簿・勘定記入 68問で、残高計算と取引推定を通しで確かめる →
仕入諸掛は仕入原価に含める — 純仕入高の計算
当社負担の引取運賃などの仕入諸掛は仕入原価に含めます。したがって仕入帳には、商品代金に引取運賃を加えた金額で記入します。
4 日: A 商品 30 個 × @4,000 円、引取運賃 5,000 円 (当社負担) → 仕入帳の記入額は 30 × 4,000 + 5,000 = 125,000 円
そのうえで、
純仕入高 = 総仕入高 − 仕入戻し高
です。返品を控除し忘れる、あるいは返品分を別の商品の単価で計算してしまうのが定番のミスなので、返品は「どの商品を何個」まで確認してください。
売掛金元帳は「掛けだけ」— 現金売上は入らない
売掛金元帳 (得意先元帳) に記入するのは掛け取引に関するものだけです。
- 掛け売上 → 借方に記入(売掛金の増加)
- 代金の回収 → 貸方に記入(売掛金の減少)
- その場で現金を受け取った売上 → 記入しない(売掛金が生じないため)
月末残高を計算させる問題では、この現金売上を混ぜてしまうのが最大の失点です。「掛け」と書いていない売上は外す、と決めておいてください。
手形記入帳の「てん末欄」は最後にどうなったか
受取手形記入帳のてん末欄には、その手形が最終的にどうなったか(入金・裏書譲渡・割引など)を記入します。
てん末欄が「満期日に当座預金口座へ入金」なら、仕訳は受取時ではなく回収時のものです。
(借) 当座預金 ××× / (貸) 受取手形 ×××
「(借) 受取手形 / (貸) 売掛金」は受け入れたときの仕訳なので、てん末欄が問われているときの答えにはなりません。てん末欄 = 出口と覚えると取り違えません。
小口現金は「補給額 = 支払合計」
定額資金前渡制(インプレスト・システム)では、一定期間の支払額と同額を補給します。だから期間の初めの手許有高がつねに定額に戻ります。
補給額 = 当期間の支払合計
手許残高(定額 − 支払合計)と補給額を取り違える誤答が必ず選択肢に入るので、問われているのがどちらかを確認してください。
なお仕訳を行うのは小口現金係ではなく、報告を受けた会計係です。小口現金係は小口現金出納帳に明細を記入し、費目別の内訳欄に分類するところまでを担当します。
クレジット売掛金は手数料を引いた額
クレジットカード払いの売上では、信販会社に対する債権としてクレジット売掛金を使い、手数料は支払手数料(費用)として計上します。
商品 100,000 円、手数料 4% (借) クレジット売掛金 96,000 / 支払手数料 4,000 / (貸) 売上 100,000
🔴 売上は手数料を引く前の 100,000 円です。貸方を 96,000 円にすると貸借が合わなくなります。「受け取れる額」と「売り上げた額」は別物、と押さえてください。
系統2: 勘定記入 (T勘定・総勘定元帳)
勘定記入は、文章や資料 (前期繰越・期中取引) からT勘定を完成させる問題です。日付・摘要・金額を正しく転記し、最後に締め切るところまでが問われます。
勘定の締め切りと繰越のルール
| 勘定の種類 | 残高が出る側 | 締め切り時の記入 |
|---|---|---|
| 資産 (現金・売掛金・備品 等) | 借方残高 | 貸方に「次期繰越」、翌期首に借方へ「前期繰越」 |
| 負債 (買掛金・借入金 等) | 貸方残高 | 借方に「次期繰越」、翌期首に貸方へ「前期繰越」 |
| 純資産 (資本金・繰越利益剰余金) | 貸方残高 | 借方に「次期繰越」、翌期首に貸方へ「前期繰越」 |
| 収益・費用 | — (損益勘定へ振替) | 損益勘定へ振り替えて締め切る |
資産・負債・純資産の勘定は、決算日に残高を 反対側 へ「次期繰越」と記入してゼロにし、翌期首に「前期繰越」で戻します。収益・費用の勘定は次期繰越せず、損益勘定へ振り替えて締め切る点が異なります。
勘定記入でつまずきやすいポイント
- 借方・貸方を逆に転記して貸借が合わなくなる
- 「前期繰越」と「次期繰越」を取り違える
- 相手科目を摘要欄に書く際、自分の勘定名を書いてしまう (摘要欄は相手科目を書く)
摘要欄には 相手勘定科目 を書くのが原則です。例えば現金勘定で売掛金を回収したなら、現金勘定の摘要欄には「売掛金」と書きます。
勘定の記入から取引を推定する
T勘定を埋めさせるのではなく、すでにある記入が何の取引かを答えさせる取引推定の形式もあります。次の 3 手で確定できます。
| 手順 | 見るもの | 分かること |
|---|---|---|
| ① | その勘定が資産・負債・収益・費用のどれか | 借方と貸方のどちらが増加か |
| ② | 記入が借方か貸方か | 増えたのか減ったのか |
| ③ | 摘要欄 (= 相手勘定科目) | 何と引き換えに動いたか |
たとえば買掛金勘定の借方に「当座預金 380,000」とあるとします。買掛金は負債なので借方は減少、摘要欄が当座預金なので相手は当座預金。復元される仕訳は「(借) 買掛金 380,000 / (貸) 当座預金 380,000」で、買掛金を小切手の振出しなどで支払った取引だと読めます。
ここまで出せれば選択肢は機械的に切れます。「仕入時に小切手で即時払いした」は仕訳が「(借) 仕入 / (貸) 当座預金」で買掛金勘定に記入されないため誤り。「現金で支払った」なら摘要欄は「現金」のはずなので誤り。摘要欄が相手科目であるという 1 点が、推定問題では最も強い手がかりです。
同じ読み方は補助記入帳にも効きます。小口現金出納帳の受入欄に「前週繰越 8,400 + 本日補給 41,600」とあれば、補給直後の手許有高が定額に戻るので前渡定額は 50,000 と逆算できます。
勘定記入の前提になる転記・試算表の基礎は、別記事の独学の進め方を参照してください
系統3: 商品有高帳 (先入先出法・移動平均法)
商品有高帳は、商品の種類ごとに数量・単価・金額を記録する補助簿です。仕入のたびに受入欄、売上のたびに払出欄を埋め、残高欄を更新します。第2問では 払出単価をどう決めるか が論点になります。
2つの払出単価の決め方
| 方法 | 払出単価の決め方 | 残高欄の特徴 |
|---|---|---|
| 先入先出法 | 先に仕入れた商品から先に払い出すと仮定 | 単価の異なる在庫を行を分けて管理 |
| 移動平均法 | 仕入のつど平均単価を計算し直して払出単価とする | 残高は常に1つの平均単価にまとまる |
記入の注意点
- 商品有高帳の金額は 原価 (仕入原価) で記入する。売価では書かない
- 売上戻り (返品) は払出欄のマイナスではなく、受入欄に戻す形で処理する形式が一般的
- 月末は摘要欄に「次月繰越」と記入し、残高の数量・単価・金額を払出欄へ書いて締め切り、翌月1日に「前月繰越」で戻す
先入先出法と移動平均法で売上総利益が変わる
同じ取引でも、払出単価の決め方が違えば 売上原価 が変わり、結果として 売上総利益 も変わります。第2問では「先入先出法の場合の売上総利益を求めよ」と問われることがあります。計算の骨格は「売上総利益 = 売上高 − 売上原価」で、売上高 (売価 × 売上数量) は方法に関係なく同じ、売上原価 (商品有高帳の払出欄の金額合計) が方法によって変動する、という関係を押さえます。
系統4: 固定資産台帳
固定資産台帳は、保有する固定資産の取得日・取得原価・耐用年数・減価償却累計額・帳簿価額を一覧にした補助簿です。第2問では台帳から数値を読み取り、固定資産の勘定や減価償却累計額勘定へ転記する問題が出ます。
台帳で押さえる用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 取得原価 | 固定資産を買ったときの金額 (付随費用含む) |
| 減価償却累計額 | 過去から当期までの減価償却費の累計 |
| 帳簿価額 | 取得原価 − 減価償却累計額 |
| 当期償却額 | 当期1年分の減価償却費 |
定額法の減価償却を逆算する
簿記3級の減価償却は 定額法 が中心です。台帳の数値から当期の償却額や帳簿価額を逆算させる問題が頻出します。
| 計算 | 式 |
|---|---|
| 1年分の減価償却費 (定額法) | 取得原価 ÷ 耐用年数 (残存価額0の場合) |
| 期中取得の減価償却費 | 1年分 × (取得月から決算月までの月数 ÷ 12) |
| 帳簿価額 | 取得原価 − 減価償却累計額 |
期中に取得した固定資産は 月割計算 になる点が落とし穴です。取得日から決算日までの月数を数え、1年分の償却費を月割りします。台帳に取得日が載っているので、そこから月数を読み取ります。
系統5: 伝票会計 (3伝票制・仕訳日計表)
伝票会計は、仕訳帳の代わりに伝票を使って取引を記録する方法です。簿記3級では 3伝票制 が中心で、入金伝票・出金伝票・振替伝票の3種類を使います。
3伝票制の役割
| 伝票 | 起票する取引 | 仕訳のイメージ |
|---|---|---|
| 入金伝票 | 現金が増える取引 | (借) 現金 / (貸) 相手科目 |
| 出金伝票 | 現金が減る取引 | (借) 相手科目 / (貸) 現金 |
| 振替伝票 | 現金が動かない取引 | 現金以外の勘定どうし |
一部現金取引の起票 (2つの方法)
「商品を仕入れ、一部を現金で支払い残りを掛けにした」のように、現金と現金以外が混ざる取引は、起票方法が2通りあります。第2問では、どちらの方法で起票されたかを読み取る力が問われます。
| 方法 | 考え方 |
|---|---|
| 取引を分けて起票 (分割法) | 現金部分を入出金伝票、掛け部分を振替伝票に分ける |
| いったん全額を掛けとして起票 | 全額を振替伝票で掛け処理し、現金部分を入出金伝票で別途処理する |
仕訳日計表への集計
仕訳日計表は、1日分の伝票を 勘定科目別 に集計する表です。各伝票の金額を勘定ごとに借方・貸方に振り分けて合計し、最後に借方合計と貸方合計が一致するかで検算します。
- 入金伝票の合計 → 現金勘定の借方へ
- 出金伝票の合計 → 現金勘定の貸方へ
- 振替伝票 → 借方科目・貸方科目それぞれへ
集計後、仕訳日計表から総勘定元帳へ転記する流れまでが出題されることがあります。借方合計=貸方合計が崩れたら、どこかの集計ミスを疑います。
系統6: 語句補充 (理論)
語句補充は、文章の空欄に正しい用語や勘定科目を補う問題です。計算が不要なぶん、各論点の意味を理解できていれば 短時間で得点しやすい 系統です。
問われやすいテーマ
| テーマ | 補充されやすい語句の例 |
|---|---|
| 帳簿の種類 | 主要簿 (仕訳帳・総勘定元帳) / 補助簿 |
| 決算の流れ | 試算表 / 精算表 / 決算整理 / 損益勘定 |
| 計算の仮定 | 先入先出法 / 移動平均法 / 定額法 |
| 経過勘定 | 前払費用 / 未払費用 / 前受収益 / 未収収益 |
| 伝票・集計 | 3伝票制 / 仕訳日計表 |
語句補充は丸暗記より、各論点がなぜその処理になるのかを理解しておくと、見慣れない文章でも正答を選べます。仕訳の仕組みを言葉で説明できる状態を作っておくと、この系統で安定して点を拾えます。
用語の意味から固め直したい場合は、別記事のテキストおすすめを参照してください
第2問が「対策しづらい」理由と、部分点を拾う解答手順
第2問が苦手意識を持たれやすい理由を整理すると、対策の方向が定まります。
| 言われる理由 | 実態 | 対策の方向 |
|---|---|---|
| 何が出るか読みにくい | 6系統から組み合わせ出題 | 系統ごとに薄く広く対策しておく |
| 配点20点で対策の優先度を下げがち | 捨てると合格基準に余裕がなくなる | 解ける小問の部分点を拾う方針に切替 |
| 1問解けないと0点に感じる | 小問単位で部分点がある | 小問ごとに取れる点を積む |
| 集計・記入が面倒で時間を食う | 難所に固執すると時間切れ | 時間を区切って後回しにする |
第2問は「満点を取りに行く大問」ではなく、「取れる小問を確実に回収する大問」です。この前提に立つと、苦手意識のわりに得点は安定します。合格基準70点と難易度の全体像は、別記事の合格率と難易度も参照してください。
本番で第2問にどう向き合うか、配点20点を効率よく回収する手順に落とし込みます。
1. 全体を眺めて解く順番を決める
問題用紙を開いたら、第2問の問1・問2がどの系統かをまず把握します。語句補充や補助簿の選択など 正答しやすい系統 があれば、そこから着手します。
2. 解ける小問を先に埋める
商品有高帳や仕訳日計表は、すべての行を完璧に埋めなくても、合っている行ごとに部分点が入る形式が一般的です。確実に分かる行・空欄から先に記入します。
3. 詰まったら時間を区切って後回し
1つの小問に固執して5分以上溶かすと、第3問の精算表に響きます。第2問は 10〜15分 で一区切りし、詰まった小問は飛ばして第3問へ進み、余った時間で戻ります。
4. 貸借一致・合計でセルフチェック
勘定記入や仕訳日計表は、借方合計と貸方合計が一致するはずです。最後に合計を確認し、ズレていれば転記・集計ミスを探します。検算が部分点の取りこぼしを防ぎます。
当日の解く順番と時間配分の全体設計は、別記事の試験当日の動き方を参照してください
第2問対策のチェックリスト
第2問を「部分点を拾える大問」にするため、受験前に以下を確認してください。
- 補助簿の種類と、各取引がどの補助簿に記入されるか対応づけできる
- 勘定の締め切り (次期繰越/前期繰越) を資産・負債・純資産で正しく書ける
- 商品有高帳を先入先出法・移動平均法の両方で記入できる
- 固定資産台帳から減価償却費・帳簿価額を逆算できる (期中取得の月割含む)
- 3伝票制で起票し、仕訳日計表へ集計できる
- 語句補充で問われやすい用語を、意味とセットで説明できる
- 第2問は10〜15分で区切り、詰まった小問を後回しにする方針を決めている
7項目のうち、まず1・2・6の 取りやすい系統 を固めると、配点20点のうち過半を安定して拾えるようになります。残りの系統は部分点狙いで上乗せする、という順番が現実的です。
仕訳や補助簿をスキマ時間で反復したい場合は、別記事のアプリ活用を参照してください
出典:











