結論: 50 問を「配線図 20 + 暗記 18-20 + 計算 10-12」の三層で 36 問を狙う
第二種電気工事士の学科 50 問は、出題範囲別に 配線図 20 問 (40%)・暗記系 18-20 問 (36-40%)・計算系 10-12 問 (20-24%) の三層構造になっています。合格点 60 点 = 30 問正解を超えるには、配線図 16 問 + 暗記 14 問 + 計算 6 問 = 36 問 を独学者の傾向の目標値に置くのが、本番のブレを吸収する設計です。
| 層 | 出題数 | 目標正答数 | 学習時間配分 | 性質 |
|---|---|---|---|---|
| 配線図 (図記号 + 複線図) | 20 | 16 | 32 時間 (40%) | 出題パターン固定・型暗記 |
| 暗記系 (機器/材料/施工/検査/法令) | 18-20 | 14 | 16 時間 (20%) | 頻出論点に絞れば対応可 |
| 計算系 (理論/配電/設計) | 10-12 | 6 | 24 時間 (30%) | 公式と型・全捨ては不可 |
| 模試 + 直前 | — | — | 28 時間 (28%) | 本番形式の時間感覚 |
| 計 | 50 | 36 | 100 時間 | 合格点 60 点 + 余裕 12 点 |
編集部の見立てでは、配線図を後回しにする独学者ほど不合格率が高い傾向があります。試験の 40% を占める範囲を最初に固めると、残り 60% の時間配分に余裕が生まれます。
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学科 50 問の出題構成 (公式)
| 出題分野 | 問数 | 配点 | 性質 |
|---|---|---|---|
| 電気の基礎理論 (オームの法則ほか) | 5-6 問 | 10-12 点 | 計算系 |
| 配電理論・配線設計 | 5-7 問 | 10-14 点 | 計算系 |
| 電気機器・配線器具・材料 | 6-8 問 | 12-16 点 | 暗記系 |
| 電気工事の施工方法 | 5-6 問 | 10-12 点 | 暗記系 |
| 一般用電気工作物の検査方法 | 4-5 問 | 8-10 点 | 暗記系 |
| 配線図問題 (図記号 + 複線図) | 20 問 (問 31-50) | 40 点 | 配線図 |
| 法令 | 4-5 問 | 8-10 点 | 暗記系 |
| 計 | 50 問 | 100 点 | 合格 60 点 |
科目別の足切りはなく、合計 60 点で合格。試験時間 120 分・四肢択一。
配線図 20 問を 32 時間で固める
配線図問題 (問 31-50) は試験の 40% を占める最大カテゴリ。時間投資が直接得点に変換されます。
図記号 60 種類の即答化 (8 時間)
| 図記号カテゴリ | 種類数 | 学習時間 | 即答化の目安 |
|---|---|---|---|
| 一般配線 (差込形コネクタ等) | 8 種 | 1.5h | 2 秒 |
| 機器 (開閉器・コンセント・スイッチ) | 14 種 | 2.0h | 2 秒 |
| 照明器具 (蛍光灯・白熱灯・誘導灯) | 10 種 | 1.5h | 3 秒 |
| 配電盤・分電盤・引込口 | 6 種 | 1.0h | 2 秒 |
| 計器 (電力量計・変流器・電流計) | 8 種 | 1.0h | 2 秒 |
| その他 (接地・避雷器・端子盤ほか) | 14 種 | 1.0h | 4 秒 |
| 計 | 60 種 | 8h | — |
5 周演習で 90% の即答率が独学者の傾向。
複線図の手書き演習 (16 時間)
複線図問題 5-7 問は 紙で電線本数を数える のが必須。アプリでは身につきません。
| 練習内容 | 時間 | 目標 |
|---|---|---|
| 単線図 → 複線図変換の基礎 | 4h | 接地側・非接地側の判別 |
| スイッチと負荷の対応 | 4h | 3 路スイッチ・4 路スイッチ |
| 過去 5 年分の複線図問題 30 問 | 8h | 1 問 4-5 分で完成 |
| 計 | 16h | — |
配線図全体演習 (8 時間)
過去 5 年分の問 31-50 を通しで 8 時間。図記号と複線図を統合した実戦演習です。
暗記 18-20 問を 16 時間で潰す
機器・材料・施工・検査・法令の暗記範囲は、頻出論点に絞れば 16 時間で 14 問の確保が見えます。
機器・材料・工具の頻出 6-8 問 (6 時間)
| 論点 | 重要度 | 1 例 |
|---|---|---|
| リモコンリレー・リモコンスイッチ | ★★★ | 用途・接続 |
| PF 管/CD 管の使い分け | ★★★ | 防爆・耐熱 |
| 電線管 (金属管/合成樹脂管/可とう電線管) | ★★★ | 場所別の選定 |
| 工具 (圧着工具・電動ドリル) | ★★ | サイズ別の用途 |
| ジョイントボックス・アウトレットボックス | ★★ | 用途差 |
| 進相コンデンサ | ★ | 力率改善 |
施工方法・検査方法の頻出 9-11 問 (7 時間)
| 論点 | 数値 | 出題頻度 |
|---|---|---|
| 絶縁抵抗の測定値 | 150V 以下 0.1MΩ / 300V 以下 0.2MΩ / 300V 超 0.4MΩ | 毎年 |
| 接地工事 4 種類 | A 種 10Ω / B 種 計算式 / C 種 10Ω / D 種 100Ω | 毎年 |
| 接地線の太さ | C/D 種 1.6mm 以上 | 隔年 |
| 絶縁抵抗計 (メガー) | 直流 500V レンジ | 毎年 |
| クランプメーター | 電流測定 | 隔年 |
この 7 時間で伸びが止まる人は、上の数値表だけを覚えて「どの工事がどこで使えるか」「支持点は何 m か」「どの検査が何を見るか」を後回しにしていることが多いです。以下の 4 つは軸を 1 本ずつ持てば表を丸暗記せずに済みます。
場所で工事が決まる — 「どこでもいける 3 工事」を軸にする
工事の種類は多く見えますが、覚え方は逆から入ります。乾燥・湿気・水気のどこでも使えるのは 3 つだけで、残りは乾燥した場所限定と考えます。
| 区分 | 工事 |
|---|---|
| どこでもいける | 金属管工事 / 合成樹脂管工事 / ケーブル工事 |
| 乾燥した場所限定 | 金属ダクト / 金属線ぴ / ライティングダクト / フロアダクト |
300V 以下の低圧配線を水気のある場所に施設するとき認められるのは、上の 3 工事です (電気設備技術基準の解釈 第 156 条)。金属ダクト工事は「展開した場所または点検できる隠ぺい場所で、乾燥した場所」に限られるため、湿気の多い場所・水気のある場所には施設できません (同 第 162 条)。
出題は「水気のある場所に施設できない工事はどれか」という形が多く、答えはダクト系になります。がいし引き工事も乾燥した場所が基本です。あわせて、水気のある場所の機器には接地極付コンセント、屋外なら防雨形 (傍記 WP) と漏電遮断器による保護、という組み合わせも問われます。
支持点間隔は「2m が原則、垂直+防護で 6m」
| 対象 | 支持点間の距離 |
|---|---|
| 金属管 (造営材の面に沿う) | 2m 以下 (内線規程) |
| ケーブル (造営材に沿う) | 2m 以下 (電技解釈 第 164 条) |
| └ 接触防護措置+垂直取付け | 6m 以下まで緩和 |
| 硬質合成樹脂管 (VE 管) | 1.5m 以下 |
| 金属ダクト | 3m 以下 (電技解釈 第 162 条) |
| └ 取扱者以外が出入りできない措置+垂直 | 6m 以下まで緩和 |
数字が 5 つ並びますが、軸は「2m が基本」「垂直に取り付けて人が触れない条件を満たすと 6m まで伸ばせる」の 2 行です。そこに「ダクトだけ原則 3m」「VE 管だけ厳しい 1.5m」を例外として足す形にすると崩れにくくなります。
緩和にいつも「垂直」と「触れないこと」の 2 条件が付くのは、水平だと自重でたわみ、人が触れる場所では危険だからです。条件を落として 6m だけ覚えると、原則値を聞かれたときに外します。
竣工検査は「何を測るか」で 1 対 1、順番は目視が先
| 検査 | 何を見るか |
|---|---|
| 目視点検 | 器具の取付け・配線が施工仕様どおりか |
| 絶縁抵抗測定 (メガー) | 絶縁の良否 |
| 接地抵抗測定 | 接地工事の良否 |
| 導通試験 | 結線の正誤・断線・誤結線・器具の未接続 |
順序は目視点検 → 絶縁抵抗測定 → 接地抵抗測定 → 導通試験です。目視を先頭に置くのは、明らかな不良を通電前に見つけるためです。
導通試験は回路計 (テスタ) の抵抗レンジやブザーで調べます。よくある誤答が「絶縁被覆の良否を確認する」ですが、それは絶縁抵抗測定の仕事です。4 つは目的が重ならないので、「絶縁 → メガー」「接地 → 接地抵抗計」「結線 → 導通試験」と 1 対 1 で結びつけてください。
遮断器は「過電流か、漏電か」だけ
| 検知するもの | 目印 | |
|---|---|---|
| 配線用遮断器 (MCCB) | 過電流 (過負荷・短絡) | テストボタンなし |
| 漏電遮断器 (ELCB) | 地絡電流 (一般に 30mA) | テストボタンあり |
定格電流の超過で動くのが MCCB、漏電で動くのが ELCB です。両方を備えた過電流保護付き漏電遮断器もあるため、「ELCB は過電流を見ない」と言い切る選択肢は誤りになります。
配線用遮断器の定格電流は、保護する電線の許容電流以下にします。逆にすると、電線が過熱・焼損しても遮断器が動かない状態になります。
感電防止の観点も同じ流れで説明できます。D 種接地工事の目的は、外箱に漏電したときの対地電位の上昇を抑えて感電を防ぎ、あわせて漏電電流を大地へ流して漏電遮断器を確実に動作させることです (電技解釈 第 29 条)。60V を超える低圧で人が触れるおそれのある金属製外箱には漏電遮断器の施設が原則義務ですが、二重絶縁構造の機器などは省略できます。
電線接続は「金属が露出するなら絶縁処理」
| 接続方法 | 接続したあと |
|---|---|
| リングスリーブ (圧着) | 金属が露出するので絶縁処理が必要 (絶縁テープを巻く) |
| ろう付け | はんだと電線の金属が露出するので絶縁処理が必要 |
| 差込形コネクタ | 絶縁材料と端子が一体なので絶縁テープ巻きを省略できる |
判断の軸は「接続部の金属が外へ出るかどうか」の 1 点だけです。リングスリーブは銅製で、一度圧着すると変形するため再使用できません。サイズ (小・中・大) は電線の太さと接続本数の組み合わせで決まります。差込形コネクタも内部のバネでロックがかかる構造で引き抜きにくく、再使用を前提にした接続方法ではありません。
電線管と工具は用途で 1 対 1 に結ぶ
薄鋼電線管 (C 管・EMT) は厚鋼電線管 (E 管) より管壁が薄く軽量で、施工性に優れます。どちらも鋼製で、露出・隠ぺい・コンクリート埋設のいずれにも使えます (過酷な環境では強度の高い厚鋼)。「埋設専用」「露出専用」という分け方はしません。
| 加工 | 工具 |
|---|---|
| ねじ切り | ねじ切り器 (パイプダイス) |
| 曲げ | パイプベンダ |
| 内面のバリ取り | リーマ |
| 切断 | パイプカッタ |
金属管を曲げるときは、曲げ半径を管の呼び径の 6 倍以上確保します。半径が小さいと管がつぶれて通線できません。電線は曲げ加工の後に引き込みます (通線後に曲げると電線を傷めます)。薄鋼電線管を加熱して曲げることはしません (これは合成樹脂管の扱い)。
工事方法・検査方法・保安法令 64問で、場所別の制限と支持点間隔を確かめる →
法令 4-5 問 (3 時間)
| 法令 | 主な出題 | 数値・用語 |
|---|---|---|
| 電気事業法 | 一般用電気工作物の定義 | 600V 以下 / 受電容量 50kW 未満 |
| 電気工事士法 | 業務範囲 | 第二種は一般用のみ |
| 電気工事業法 | 登録/通知 | 5 年更新 |
| 電気用品安全法 | PSE マーク | 特定電気用品 |
計算 10-12 問を 24 時間で半数得点
計算は全捨て不可。頻出 16 パターンを 24 時間で潰し、5-6 問の得点を確保します。
| 計算系統 | パターン | 時間 | 1 問の所要 |
|---|---|---|---|
| オームの法則・合成抵抗 | 4 | 6h | 90 秒 |
| 電圧降下 (単相/三相) | 4 | 6h | 120 秒 |
| 電線の許容電流 (5 種類) | 3 | 4h | 60 秒 |
| 分岐回路の保護 (15A/20A/30A) | 3 | 4h | 60 秒 |
| 力率・進相コンデンサ・三相 | 2 | 4h | 150 秒 |
| 計 | 16 | 24h | — |
「全捨ては破綻する」を肝に銘じる。残り 38-40 問で 79% の正答率は、独学者の傾向では合格者上位 1-2 割しか達成できません。
学習順序 — 配線図先行が成功率を上げる
| カテゴリ | 期間目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 配線図 (図記号 60 種類) | 1-2 週目 | 試験の 40%・パターン固定で着手しやすい |
| 法令 + 機器器具の頻出 | 3-4 週目 | 暗記の土台、図記号と並行可 |
| 配線図 (複線図演習) | 5-6 週目 | 紙で電線本数の判定訓練 |
| 計算 16 パターン | 7-8 週目 | 配線図が固まった精神的余裕で取り組む |
| 模試 + 弱点補強 | 9 週目 | 50 問 120 分の時間感覚を作る |
| 直前 1 週間 | 10 週目 | 既習の復元、新範囲は入れない |
配線図先行で「1 カテゴリ完成」の手応えを早く作るのが、独学者の挫折を防ぐ要諦です。
残り期間別の優先順位
| 残り期間 | 配線図 | 暗記 | 計算 | 模試 |
|---|---|---|---|---|
| 3 ヶ月 | 図記号 + 複線図網羅 | 全範囲 | 16 パターン全部 | 4 回 |
| 2 ヶ月 | 図記号 + 複線図主要 | 頻出 14 問 | 12 パターン | 3 回 |
| 1 ヶ月 | 図記号即答化 + 複線図 5 問 | 頻出 10 問 | 8 パターン | 2 回 |
| 2 週間 | 図記号最終確認 | 頻出 8 問 | 6 パターン | 1 回 |
| 1 週間 | 図記号 + 当日の弱点 | 法令数値 | 4 パターン | 0 |
配線図先行に「向く人」と「向かない人」
| 向く人 | 向かない人 |
|---|---|
| 視覚記憶が強く図記号の暗記が苦にならない | 図形より文章で覚える派 |
| 紙で手を動かす時間を確保できる | スマホ完結したい人 |
| 直前 1 週間に既習復元の時間を作れる | 直前期に新範囲を入れたがる人 |
| 「全部覚えなくていい」と割り切れる | 完璧主義で全範囲を均等に進めたい人 |
向かない要素が 2 つ以上あれば、配線図先行は崩さずに、計算/暗記の比率だけ自分の得意に合わせて微調整するのが現実解です。
科目別攻略で陥りがちな 5 つの失敗
- 計算から始めて挫折 — 苦手意識が強い計算を最初に持ってくると、3 週間で学習が止まる傾向。配線図先行で「1 カテゴリ完成」を早く作る
- 配線図を「暗記が多くて大変」と後回し — 試験の 40% を後回しにすると、直前 2 週間で 32 時間分を圧縮する羽目に
- 計算を全捨てて暗記特化 — 数学的に残り 38-40 問で 79% が必要、独学者の傾向では達成困難
- 暗記分野を全部覚えようとする — 機器の構造原理まで踏み込み、頻出論点を取りこぼす
- 複線図をスワイプ/タップで済ます — 紙で電線本数を数える訓練を別途しないと、本番の 5-7 問が得点にならない
チェックリスト
- 配線図 20 問に総時間の 40% を投下 — 試験の 40% に時間も 40%
- 図記号 60 種類を 8 時間で 5 周 — 即答化 90% を目標
- 複線図は紙で 16 時間 — アプリでは身につかない
- 暗記は頻出 5 グループに絞る — 機器/施工/検査/法令の頻出
- 計算は 16 パターン 5 周 — 全捨ては破綻
- 目標 36 問正解で 6 問の余裕 — 本番のブレを吸収
- 直前 1 週間に新範囲を入れない — 既習の復元に専念
まとめ
第二種電気工事士の学科 50 問は、配線図 20 問 (40%)・暗記 18-20 問 (36-40%)・計算 10-12 問 (20-24%) の三層構造。配線図 16 + 暗記 14 + 計算 6 = 36 問を独学者の傾向の目標値に置くと、合格点 60 点に 12 点の余裕が乗ります。学習順序は配線図先行が成功率を上げ、最後に計算 16 パターンを潰すのが定石。「全部均等に」「計算は全捨て」のどちらも本番では不合格パターンに該当するため、出題比率からの逆算配分を最初に固めるのが攻略の起点です。
出典
- 一般財団法人 電気技術者試験センター — 学科試験 50 問構成・配線図 20 問・合格基準
- 電気工事士法 (昭和 35 年法律第 139 号) — 第二種電気工事士の業務範囲
- 電気事業法 — 一般用電気工作物の定義 (600V 以下)
- 電気設備技術基準の解釈 — 絶縁抵抗値・接地工事 A-D 種
- 内線規程 JEAC 8001 (日本電気協会) — 配線図の図記号体系











