第二種衛生管理者の勉強で、テキストを最初から最後まできれいに書き写したのに、模試の点が伸びない——これは「写経ノート」にハマった人の典型です。第二種は3科目30問の暗記中心の試験で、合否を分けるのは「数値を正確に思い出せるか」。教科書を丸写しするノートは時間ばかり食って、肝心の数値が頭に残りません。
逆に、合格者のノートは驚くほど薄い。彼らは「自分が間違える数値」「混同する用語」だけを抜き出し、何度も上書きしています。この記事では、第二種の3科目それぞれで「どこをノートにし、どこをノートにしないか」を具体的に示します。
この記事で分かること
- 写経ノートが点に直結しない理由と、得点に直結するノートの作り方
- 関係法令・労働衛生・労働生理の科目別に「ノート化すべき論点」と作り方
- 数値を覚えやすくする一覧表・系統図のレイアウト例
- 残り期間別に、いつ作って・いつ捨ててどう演習へ移すか
- やりがちな失敗と、その回避策
第二種衛生管理者は、関係法令(有害業務以外)10問・労働衛生(有害業務以外)10問・労働生理10問の計30問、試験時間3時間です。合格基準は各科目40%以上(各4問以上)かつ全体60%以上(18問以上)の同時クリア。つまり1科目でも捨てると即不合格になるため、ノートも3科目を均等に支える設計にします。
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ノートは「全部書く」のではなく「間違える所だけ書く」
ノート作りで最初に決めるのは、何を書かないかです。テキストにすでにきれいにまとまっている説明文を書き写しても、それはテキストを1冊増やしただけ。ノートの役割は、テキストでは散らばっている「数値」「紛らわしい用語」を1か所に集め、自分の手で何度も書き直せる状態にすることです。
| ノートにする | ノートにしない |
|---|---|
| 選任基準・健康診断頻度などの数値 | テキストにある長い定義文 |
| 自分が2回以上間違えた用語 | 一度で理解できた基本概念 |
| 似ていて混同するもの(対比して書く) | 図解がすでに分かりやすい項目 |
| 演習で初めて知った引っかけ | 写すだけの条文の丸写し |
目安として、1科目あたりノートはA4で2〜3枚に収めます。それ以上に膨らんだら「写経」に傾いている合図です。
関係法令: 数値だけを縦一列に集約する
関係法令でいちばん落としやすいのは、人数や頻度といった「数値」です。条文の文章のまま覚えると、本番で「50人」だったか「100人」だったか曖昧になります。そこで、数値だけを抜き出した専用ページを作ります。
| 論点 | 具体的な数値 | 書き方のコツ |
|---|---|---|
| 衛生管理者の選任 | 常時50人以上で選任義務。人数に応じた人数規定あり | 人数の区切りを縦に並べる |
| 定期健康診断 | 年1回実施。有害業務従事者は年2回 | 「いつ・何回」を表頭にする |
| 作業環境測定 | 種類に応じた測定頻度 | 法令数値と同じページに置く |
ポイントは、文章にしないこと。「常時◯人以上で…を選任しなければならない」と書くと長くて見返しません。左に条件(人数の区切り)、右に結論(選任義務や頻度)を置く2列の表にすると、隠して自己テストができます。数値は語呂合わせと相性が良いので、覚えにくいものは 語呂合わせ攻略 と併用してください。
労働衛生: 環境基準の数値を「種類ごと縦並べ」で固める
労働衛生(有害業務以外)では、事務所の照度や気積など、環境の数値基準がよく問われます。具体的な数値を知らないままにしておくと、「300ルクス以上」と「150ルクス以上」のどちらを選ぶか迷う問題で得点を落とします。
照度基準(事務所衛生基準規則)
| 作業区分 | 必要な照度 |
|---|---|
| 精密な作業 | 300ルクス以上 |
| 普通の作業 | 150ルクス以上 |
| 粗大な作業 | 70ルクス以上 |
気積・換気基準
| 基準 | 数値 |
|---|---|
| 労働者1人あたりの気積 | 10㎥以上 |
| 直接外気に換気する設備のない場合の換気回数 | 1時間あたり5回以上 |
これらは項目ごとに数値が決まっているので、種類を縦に並べた一覧表が最も効きます。基準値だけを赤シートで隠せるレイアウトにしておくと、そのまま直前の自己テストに使えます。
基準値を隠す赤シートや暗記ペンは、引く方式・塗る方式で使い勝手が変わります。選び方は暗記グッズ・赤シートのおすすめ3選にまとめています。
労働生理: 臓器系統別にまとめ、正常と異常を色分けする
労働生理は、呼吸器・循環器・消化器・腎臓・神経・血液などの「系統」ごとに整理すると、知識が体系化されて忘れにくくなります。バラバラの用語暗記にすると、似た働きの臓器どうしを取り違えます。
- 系統ごとにページを分ける: 呼吸器、循環器、血液…と1系統1枠にする
- 「仕組み」と「数値」を分けて書く: 例として心拍や呼吸の働きと、その関連数値を別の行に
- 正常な働きは黒、異常・例外は赤で色分けし、引っかけポイントを目立たせる
労働生理は理屈で覚えると定着が早い科目です。図を1枚描いて、各系統の役割を矢印でつなぐと、文章で覚えるより記憶が長持ちします。
残り期間別: いつ作り、いつ捨てるか
ノートは作って終わりではなく、演習に移ったら「見るだけ」に役割を変えます。期間別の進め方は次の通りです。
| 残り時間 | 関係法令 | 労働衛生 | 労働生理 |
|---|---|---|---|
| 残り2ヶ月 | 数値一覧を作る | 環境基準の表を作る | 系統別にまとめる |
| 残り1ヶ月 | 数値を隠して反復 | 基準値を隠して反復 | 系統図で反復 |
| 残り2週間 | 演習→間違えた数値だけ追記 | 演習→外した基準を追記 | 演習→取り違えを追記 |
| 残り1週間 | 数値ページだけ最終確認 | 基準値だけ最終確認 | 赤字の例外だけ確認 |
残り2週間からは新規作成をやめ、演習で外した所だけをノートに追記する「上書きモード」にします。これで本番直前には「自分専用の弱点集」が完成します。
やりがちな失敗と回避策
失敗: 全範囲をきれいに書き写す。 テキストの再生産になり、数値が頭に残りません。回避策は、各科目の頻出数値と自分の間違いだけに絞ること。
失敗: 法令の数値を文章のまま書く。 「◯人以上で選任」と長文にすると見返さなくなります。回避策は、条件と結論の2列表にして隠せる形にすること。
失敗: 労働生理を単語帳のように丸暗記する。 似た臓器の働きを混同します。回避策は、系統別にまとめ、正常と異常を色分けすること。
まとめ
第二種衛生管理者のノートは、テキストを写すものではなく「自分が間違える数値と用語を集めた弱点集」です。関係法令は数値の2列表、労働衛生は照度300ルクス以上・気積10㎥以上などを含む環境基準の縦並べ、労働生理は系統別+色分け——この構成で作れば、3科目すべての足切りを越える土台になります。
まず関係法令の「数値だけページ」をA4で1枚作るところから始めてください。書き終えたら数値を隠して自己テストし、外した所に印をつけます。そのうえで オリジナル予想問題160問 を解けば、ノートに足りない論点が一発で見えます。
出典:
- 公益財団法人 安全衛生技術試験協会 — 衛生管理者免許試験 受験案内
- 労働安全衛生法 (昭和47年法律第57号) — 衛生管理者・健康診断
- 事務所衛生基準規則 — 照度基準・気積基準








































































