結論:止まるのは「一種」ではなく「日本証券業協会主催のすべての試験」
証券外務員一種はCBTで通年実施されているので、落ちてもすぐ受け直せると思われがちです。実際は違います。プロメトリックの外務員資格試験ページには、再受験規定として次のように書かれています。
受験結果が不合格であった場合(欠席の場合は含みません。)当該受験日の翌日から起算して30日を経過する日までは、日本証券業協会主催のすべての試験を受けることはできません。
読み落とされやすいのは、止まる範囲が「一種外務員資格試験」ではないことです。止まるのは日本証券業協会主催のすべての試験です。
▶️ つまり、一種に落ちた人が「では先に二種を取ろう」と切り替えることもできません。 二種外務員資格試験も同じ主催者の試験だからです。ここが「30日待てばいいだけ」と読んだ人がいちばん外す点です。
待機期間中に受けてしまうと、合格点でも不合格になる
同じ再受験規定には続きがあります。
後日、上記受験待機期間中に受験したことが判明した場合には、仮に合格点に達していても不合格の取り扱いとするとともに、受験待機期間を別途設定いたします。
予約システムが弾いてくれるとは書かれていません。通ってしまった場合でも、後から取り消されるという書き方です。しかも待機期間が別途設定されます。何日になるかは公表されていません。
▶️ 受験料は12,169円(税込)で、後述のとおり返金されません。合格点を取った上で取り消され、さらに待機が延びる、というのがいちばん高くつく失敗です。
「欠席は含みません」という非対称
括弧書きの(欠席の場合は含みません。)は、この規定でいちばん実務的な一文です。
| 当日の行動 | 30日の待機 |
|---|---|
| 受験して不合格 | かかる |
| 受験せず欠席 | かからない |
| 受験して合格 | かからない(そもそも不要) |
つまり、まったく仕上がっていない状態で会場に行って受けるより、行かないほうが再挑戦は早くなります。受けた場合は次が30日後以降、欠席なら翌日以降の枠を取れるからです。
⚠️ ただし欠席しても受験料は返ってきません。プロメトリックの注意事項には、「試験予約のキャンセル」「お支払いいただいた受験料金の返金」「試験科目の変更」および「受験者の変更」の要望には応えられない、と明記されています。欠席が有利なのは金銭ではなく日程だけです。
▶️ 判断の分かれ目は「今日受けて受かる見込みがあるか」ではなく、「落ちた場合に30日空くのを許容できるか」です。入社日や登録の期限が決まっているなら、この30日は直接そこにぶつかります。
実際に受け直せるのは「30日後」より少し先になる
公式が期間として書いているのは30日だけですが、予約の仕組みを重ねると、実際に座れる日はもう少し後ろになります。プロメトリックの注意事項には次の記載があります。
- 試験日の60日前から試験日の5営業日前まで予約が可能です
- 営業日は土日・祝日・年末年始休業を除いた日です
つまり、待機が明けた当日の枠を当日に取ることはできません。待機が明ける日の5営業日前までに予約を済ませておく必要があります。
▶️ ここは公式が「30日+5営業日」と書いているわけではありません。「30日の待機」と「5営業日前締切の予約」という別々の規定を重ねた結果としてそうなる、という読み方です。実際の日付は必ず予約画面で確認してください。
実務的な段取りはこうなります。
- 不合格だった日をメモする(起算日は翌日)
- 30日を経過する日をカレンダーに置く
- その日から逆算して5営業日前までに次の予約を入れる(土日祝は営業日に数えない)
- 待機明け直後の枠は埋まりやすいので、候補日を複数持っておく
2回目・3回目でも待機は30日のまま
試験によっては「2回目以降は待機が延びる」運用がありますが、外務員資格試験の再受験規定に書かれているのは回数によらず30日です。回数で段階的に延びるという記載はありません。
延びるのは、上で見た待機期間中に受験してしまった場合の「別途設定」のときだけです。
▶️ したがって「3回落ちたらもう受けられない」という上限も、公表された規定の中にはありません。止まるのは毎回30日です。
落ちた30日を何に使うか
一種は440点満点の7割で合格です。○×70問を全問正解しても140点にしかならず、配点の大きい五肢択一で崩れると届きません。落ちたときは「あと少しだった」と感じても、足りていないのは○×側ではなく五肢側であることがほとんどです。
30日という期間は、一種の弱点補修にはむしろちょうど良い長さです。
- 1〜7日目:受験直後の記憶があるうちに、詰まった論点を書き出す(画面に出た正解率も控える)
- 8〜21日目:五肢択一で問われる計算と、二種にないデリバティブ・信用取引を集中的に回す
- 22〜30日目:時間を計って通しで解き、160分の配分を作り直す
ぴよパスでは証券外務員一種のオリジナル予想問題を無料で公開しています。分野別に続けて解けるので、上の2週目に当てられます。
⚠️ 実施主体の日本証券業協会は問題を公開していません。ぴよパスの問題も本試験の再現ではなく、出題範囲から独自に作成した予想問題です。
合否はその場で分かるので、待機の起算日は自分で確定できる
外務員資格試験は、試験終了時の画面に正解率が表示されます。プロメトリック経由で申し込んだ場合は、終了後にメールで届く「受験結果通知」にも正解率が記載されます。判定は正解率70%以上で合格、70%未満で不合格です。
▶️ 合否通知を待つ試験と違い、その日のうちに30日の起算日が確定します。会場を出た時点でカレンダーに次の予約日を置けます。
なお、日本証券業協会の協会員である金融商品取引業者等を通じて受験した場合は、合否が人事担当者に通知されます。この場合は所属先の担当者に確認する形になります。
不合格以外で「一定期間受けられなくなる」場合
再受験規定とは別に、プロメトリックの注意事項には受験規定違反についての記載があります。生成AIの使用については名指しの注意が出ています。
試験中、生成AI等を利用して試験情報を外部サービスに読み込ませる行為は、試験情報の持出しや拡散にもつながり得る重大な不正行為です。
この場合、当該試験が不合格として扱われるほか、一定期間受験できなくなるなどの措置がとられるとされています。期間は公表されていません。
▶️ 通常の不合格は30日で明けますが、不正行為による停止は別枠です。混同しないでください。
まとめ
- 不合格だと、受験日の翌日から起算して30日を経過する日まで受験できない
- 止まるのは一種だけではなく日本証券業協会主催のすべての試験。二種への切り替えもできない
- 欠席は待機の対象外。ただし受験料は返らないので、有利なのは日程だけ
- 待機中に受けると、合格点でも不合格扱い+待機を別途設定される
- 予約は試験日の5営業日前までなので、待機明けの枠は前もって押さえる
- 待機は回数によらず30日。段階的に延びる規定も、回数上限も公表されていない
- 合否はその場で正解率が出る(70%以上で合格)ので、起算日は当日に確定できる
出典
- プロメトリック株式会社「外務員資格試験」受験者向けページ — 再受験規定(不合格時の待機、欠席の除外、待機中受験時の取扱い)、試験情報(一種160分・受験料12,169円税込)、注意事項(試験日の60日前から5営業日前まで予約可能、営業日の定義、キャンセル・返金・科目変更・受験者変更に応じられない旨、生成AI等の使用に関する注意)、試験結果(正解率70%以上で合格)
- 日本証券業協会「外務員資格試験」 — 一般の方の申込みは委託先のプロメトリックへ行うこと、受験日から起算して60日前から受験日の5営業日前まで予約できること
編集部の見方:この規定でいちばん誤解されるのは対象範囲です。「一種に落ちたので、まず二種を取ってから出直す」という進め方は、同じ主催者の試験である以上できません。逆に、括弧の中の「欠席の場合は含みません」は、当日の朝に判断を迫られたときに効いてくる一文です。受けるか行かないかで、次の挑戦が30日後になるか翌日以降になるかが変わります。金銭はどちらでも戻りません。



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