証券外務員一種の対策でいちばん危ないのは、問題数で合格ラインを数えることです。
本試験は ○× 方式 70 問 + 五肢選択方式 30 問の計 100 問。合格は 440 点満点の 7 割、308 点以上。ここで「100 問中 70 問取れば 7 割だ」と考えると、配点を見誤ります。
○× を 70 問すべて正解しても 140 点
配点は ○× が 1 問 2 点、五肢選択が 1 問 10 点です。
| 形式 | 問題数 | 1 問の配点 | 満点 | 満点に占める割合 |
|---|---|---|---|---|
| ○× 方式 | 70 問 | 2 点 | 140 点 | 31.8% |
| 五肢選択方式 | 30 問 | 10 点 | 300 点 | 68.2% |
| 合計 | 100 問 | — | 440 点 | 100% |
問題数では ○× が 70% を占めるのに、配点では 31.8% しかありません。
つまり ○× を 1 問も落とさなくても 140 点で、合格ラインの 308 点には 168 点足りません。この 168 点は五肢選択で埋めるしかなく、10 点 × 17 問が必要です。五肢 30 問中 17 問なので、五肢だけで 56.7% の正答率が要るという計算になります。
逆向きに見ると構造がはっきりします。
| 想定 | 得点 | 判定 |
|---|---|---|
| ○× 70/70・五肢 0/30 | 140 点 | ✗ 168 点不足 |
| ○× 70/70・五肢 17/30 | 310 点 | ○ 合格 |
| ○× 35/70(半分)・五肢 25/30 | 320 点 | ○ 合格 |
| ○× 0/70・五肢 30/30 | 300 点 | ✗ 8 点不足 |
| ○× 4/70・五肢 30/30 | 308 点 | ○ ちょうど合格 |
五肢を全問正解すれば、○× は 4 問取るだけで足ります。逆は成立しません。どちらに時間を使うべきかは、この非対称性で決まります。
⚠️ 一方で「○× は捨ててよい」わけでもありません。○× 1 問 = 2 点は小さく見えますが、70 問あるので取りこぼしの累積が効きます。○× で 20 問落とすと 40 点で、五肢 4 問ぶんに相当します。
二種との差は「デリバティブと信用取引」
| 二種 | 一種 | |
|---|---|---|
| ○× 方式 | 50 問(100 点) | 70 問(140 点) |
| 五肢選択方式 | 20 問(200 点) | 30 問(300 点) |
| 満点 / 合格ライン | 300 点 / 210 点 | 440 点 / 308 点 |
| 試験時間 | 2 時間 | 2 時間 40 分 |
| 合格率(2025 年度・一般受験者) | 68.1% | 73.1% |
| 扱う範囲 | 現物中心 | デリバティブ取引・信用取引を追加 |
受験手数料はどちらも 12,169 円(税込・一般受験)で、CBT 方式のため通年で受験できます。
合格率だけ見ると一種のほうが高いのですが、これは母集団が違うためと考えるのが自然です。二種に合格した人や金融機関で実務経験がある人が受けるので、難易度が低いことを意味しません。
級の選び方は 一種と二種の違い にまとめています。
ぴよパスの 310 問は 4 カテゴリ
証券外務員一種の練習問題は、オリジナルの予想問題を 310 問公開しています。
| カテゴリ | 問題数 | 模試での ○× / 五肢 |
|---|---|---|
| 法令・諸規則 | 84 問 | 20 問 / 7 問 |
| 商品業務(株式・債券・投資信託・付随業務) | 93 問 | 20 問 / 10 問 |
| デリバティブ取引 | 71 問 | 15 問 / 8 問 |
| 関連科目(市場・会社法・経済・財務・税制・セールス) | 62 問 | 15 問 / 5 問 |
本試験の過去問ではなく、出題範囲から独自に作成したオリジナル予想問題です。
配点で見た「捨ててはいけない場所」
五肢選択の内訳を点数に直すと、時間の配り方が変わります。
| カテゴリ | 五肢の問題数 | 五肢ぶんの点数 | 五肢 300 点に占める割合 |
|---|---|---|---|
| 商品業務 | 10 問 | 100 点 | 33.3% |
| デリバティブ取引 | 8 問 | 80 点 | 26.7% |
| 法令・諸規則 | 7 問 | 70 点 | 23.3% |
| 関連科目 | 5 問 | 50 点 | 16.7% |
🔴 デリバティブは五肢で 80 点を占めます。二種にない範囲なので後回しにしたくなりますが、ここを空欄にすると五肢の 26.7% を捨てることになり、残り 22 問で 168 点(17 問相当)を取らなければなりません。実質的に「五肢のほぼ 8 割を残りで取る」条件になります。
デリバティブの中身は、先物(日経225先物・日経225mini・日経225マイクロ先物・TOPIX先物・ミニTOPIX先物)の取引単位・呼値の単位・取引最終日・SQ日、オプションのプレミアムの構成(本質的価値と時間的価値)・権利行使価格・イン/アット/アウト・オブ・ザ・マネー、そして制限値幅・サーキット・ブレーカー・取引証拠金(VaR方式)が中心です。
▶️ 覚える対象がはっきりしているぶん、得点効率はむしろ高い分野です。詳しくは デリバティブ取引の対策 にまとめました。
160 分をどう使うか
100 問 160 分は 1 問あたり 96 秒ですが、○× と五肢を同じ配分で解く必要はありません。
○× は判断が一瞬で済む問題が多く、30 秒で処理できるものが混ざります。仮に ○× 70 問を平均 40 秒(47 分)で抜けると、五肢 30 問に 113 分 = 1 問 3 分 45 秒残ります。五肢には計算問題(利回り・委託保証金・損益計算)が混ざるので、この余裕が要ります。
⚠️ ○× を丁寧に解きすぎると、配点の 68% に時間が残りません。配点構造がそのまま時間配分の設計になります。
計算問題そのものの解き方は 計算問題の対策 を参照してください。
一巡してから何を見るか
310 問を一巡したら、正答率ではなく点数で現在地を出します。カテゴリ別の正答率が同じでも、○× と五肢のどちらで落としているかで得点は大きく変わります。
ぴよパスの通し模試は本試験と同じ ○× 70 問 + 五肢 30 問の構成で、採点も ○× 2 点・五肢 10 点の 440 点満点で行います。308 点に届いているかがそのまま出ます。
🔴 問題数の正答率だけを見ていると、○× ばかり取れている人が「7 割取れている」と誤解するという一種特有の罠にはまります。点数で測ってください。
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