冷凍3種で意外と差がつくのが「解き方」です。知識は同じくらいでも、問題形式への対応がうまい人は同じ実力で多く取ります。特に冷凍3種は「次のうち正しいものはいくつあるか」という個数問題が多く、ここで雑に解くと、知っているのに落とすことが起きます。
冷凍3種の試験概要を先に確認します。法令20問・保安管理技術15問の計35問、試験時間は法令60分+保安管理技術90分の計150分、各科目60%以上(法令12問以上・保安管理技術9問以上)で合格です。合格率は近年20〜30%台で推移しており、解答技術でカバーできる得点差は小さくありません。
この記事は、得点設計(配点戦略)ではなく、目の前の1問をどう捌くかという答案技術に絞ります。個数問題の処理手順、COP・冷凍能力の計算の進め方、法令の選択肢の絞り方——本番でそのまま使える具体的な解き方を扱います。
この記事で分かること
- 「正しいものはいくつあるか」型(個数問題)の確実な捌き方
- COP(成績係数)・冷凍能力の計算をミスなく進める手順と具体的な公式
- 法令問題で選択肢を絞り込む着眼点と実際の選択肢例
- 計算問題でやりがちなミスと、その防ぎ方
- 答案技術を演習で磨く順番
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個数問題:選択肢ごとに○×を書き切る
冷凍3種で頻出なのが「次の記述のうち、正しいものはいくつあるか」という形式です。イ・ロ・ハ・ニのような各記述があり、正しいものの「個数」を答えます。
この形式の鉄則は、全体の印象で答えないことです。手順はシンプルです。
- 各記述に必ず○か×を付ける:イ=○、ロ=×、というように、1つずつ独立して正誤を判定し、問題用紙の余白に書き込みます
- 判断できない記述は△にする:曖昧なものを無理に決めず△で残し、確実な○×を先に固めます
- ○の個数を数えて答えと照合:△が残っても、確定した○×だけで答えが1つに絞れる場合があります
| 記述 | 判定 |
|---|---|
| イ | ○ |
| ロ | × |
| ハ | ○ |
| ニ | △(保留) |
この例なら、確定している正しい記述は2つ。ニが○なら3つです。△を詰める前に、まず確定分を数えるのがコツです。個数問題は1つの誤判定が即失点につながるので、「なんとなく3つ」と勘で答えるのが最も危険です。
COP・冷凍能力の計算:式を先に書く
保安管理技術では、COP(成績係数)や冷凍能力に関する計算が出ます。計算問題は、いきなり数字を当てはめず、式を先に書くのがミスを防ぐ近道です。
COP(成績係数)の公式は次のとおりです。
- 冷凍COPの式: COP = (蒸発器での冷凍効果)÷(圧縮機に加える仕事) = (h1 - h4) ÷ (h2 - h1)
- p-h線図上では、h1が圧縮機入口(蒸発器出口)、h2が圧縮機出口、h4が膨張弁入口のエンタルピー値です
手順は次のとおりです。
- 問われている量を確認する:COPなのか冷凍能力なのか、何を求めるのかを最初に特定します
- 使う式を文字で書く:まず公式の形を書いてから数値を入れます。COP = (h1-h4)/(h2-h1) の形で先に書く
- 単位をそろえる:能力や仕事の単位がそろっているかを確認します。単位の不一致が計算ミスの定番原因です
- 数値を代入して計算する:最後に数値を入れ、桁を確認します
p-h線図(モリエル線図)が絡む問題では、まず各状態点(圧縮機の入口・出口、凝縮器・蒸発器の出入口)を線図上で特定し、必要な比エンタルピーを読み取ってから式に入れます。線図の読み取りと計算を分けると、混乱しにくくなります。
冷凍能力は「冷媒の循環量×蒸発器で1kgあたりに奪う熱量(冷凍効果)」という形で考えると、何を掛け合わせているかが見えます。線図上では、これらが状態点間の比エンタルピーの差として読めるので、「どの2点の差を使うか」を線図に印を付けてから式に入れると取り違えません。
計算は「式→単位→代入」の順番を固定すると、本番で初見の数値でも手が動きます。求めるのが比(COP)なのか量(冷凍能力)なのかを最初に分けるだけでも、立式の迷いが消えます。
法令の選択肢の絞り方
法令問題は知識勝負に見えますが、選択肢の書き方から絞れる場面があります。
| 着眼点 | 見方 |
|---|---|
| 言い切りの表現 | 「必ず」「のみ」「すべて」など例外を許さない表現は、例外規定が存在しないか慎重に確認する |
| 数値の差し替え | 期間や規模の数値が、覚えた基準とわずかに違っていないか照合する |
| 似た用語の入れ替え | 製造・貯蔵・移動など、近い概念の用語がすり替えられていないか確認する |
実際の出題例(類似パターン): 「第二種製造者は都道府県知事の許可を受けなければならない」→ 誤り。第二種は「届出」で足りる。「必ず許可が必要」という言い切りは要注意です。
法令は例外規定が多いため、言い切り表現はそのまま正解とは限りません。一方で「原則として」「政令で定める」のような留保のある表現は、正しい記述である場合が多めです。確実に誤りと言える選択肢から消し、残りを覚えた知識と照合します。すべての選択肢を完璧に判断できなくても、明らかな誤りを外すだけで正答率は上がります。
失敗パターンと回避策
個数問題を印象で答える:各記述に○×を書かず「だいたい3つ」と答えると、1つの取り違えで失点します。必ず1つずつ判定し、余白に書き切ります。
計算でいきなり数字を入れる:式を書かずに暗算で進めると、単位ミスや桁ずれに気づけません。式→単位→代入の順を守ります。
法令の言い切り表現を鵜呑みにする:「必ず」「のみ」を見たら、例外がないかを一度疑います。留保表現のある選択肢と比べて判断します。
まとめ:個数問題を「○×書き切り」で練習する
冷凍3種は択一式で、特に個数問題への対応が得点を左右します。知識を増やすのと並行して、解き方そのものを練習しておくと、同じ実力でも取りこぼしが減ります。
次の一手は、演習のときから個数問題で必ず各記述に○×を書き、計算では式から書く癖をつけることです。下のオリジナル予想問題160問なら、個数問題も計算問題も解説付きで反復でき、「なぜその記述が誤りか」まで確認できます。まずは個数問題を○×書き切りで解いてみてください。
出典:
- 高圧ガス保安協会 第三種冷凍機械責任者試験 — 試験概要・受験案内
- 高圧ガス保安法 (昭和 26 年法律第 204 号)

































































