日商簿記2級 商業簿記・個別論点 練習問題 第57問: 次の連結修正仕訳として正しいものはどれか。 P社は×4年3月31日にS社の発行済株式の60%を3,000,000円で取得し、支配を獲得した。同日のS社の純資産は
次の連結修正仕訳として正しいものはどれか。 P社は×4年3月31日にS社の発行済株式の60%を3,000,000円で取得し、支配を獲得した。同日のS社の純資産は資本金3,000,000円、利益剰余金1,200,000円であり、S社の諸資産・諸負債の時価は帳簿価額と一致していた。のれんは支配獲得の翌年度から10年間にわたり定額法で償却している。×4年度(×4年4月1日〜×5年3月31日)のS社の当期純利益は900,000円で、S社は配当を行っていない。また連結会社間の取引はない。 ×5年度(×5年4月1日〜×6年3月31日)の連結財務諸表を作成するにあたり、期首に行う開始仕訳を答えること。
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正解: 2. (借) 資本金当期首残高 3,000,000・利益剰余金当期首残高 1,608,000・のれん 432,000 / (貸) S社株式 3,000,000・非支配株主持分当期首残高 2,040,000
連結修正仕訳は連結精算表の上だけで行われ、親会社・子会社いずれの帳簿にも記帳されません。そのため翌年度になると前期までの修正の効果が失われてしまい、これを毎期の期首に再現し直す手続が「開始仕訳」です。開始仕訳では、過年度の損益項目を当期の損益として重複計上しないよう、損益に影響した部分をすべて「利益剰余金当期首残高」に置き換え、純資産項目も「◯◯当期首残高」の科目で示します。まず支配獲得日(×4年3月31日)の資本連結です。S社の資本は3,000,000+1,200,000=4,200,000円、P社持分60%は2,520,000円なので、のれん=3,000,000-2,520,000=480,000円、非支配株主持分=4,200,000×40%=1,680,000円です。次に×4年度に行った連結修正を確認します。のれん償却480,000÷10年=48,000円(費用)と、非支配株主に帰属する当期純利益900,000×40%=360,000円(利益剰余金の減少かつ非支配株主持分の増加)です。これらを引き継ぐと、利益剰余金当期首残高は1,200,000+48,000+360,000=1,608,000円、のれんは480,000-48,000=432,000円、非支配株主持分当期首残高は1,680,000+360,000=2,040,000円となります。よって選択肢2が正解で、借方3,000,000+1,608,000+432,000=5,040,000円と貸方3,000,000+2,040,000=5,040,000円が一致します。選択肢1はのれんを未償却の480,000円のままとし、利益剰余金当期首残高も48,000円少なく計上しており、前期ののれん償却を引き継いでいません。選択肢3は前期の非支配株主への利益按分360,000円を引き継いでおらず、非支配株主持分が支配獲得日の1,680,000円のまま据え置かれています。選択肢4は支配獲得日の投資と資本の相殺消去をそのまま再現しただけで、前期に行った連結修正を一切引き継いでおらず、開始仕訳の意義そのものを満たしていません。
関連キーワード: 連結会計・開始仕訳・利益剰余金当期首残高・非支配株主持分当期首残高・のれん償却
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