結論:3級を飛ばして2級から受けられる。併願もできる
「3級から順番に受けないといけないのでは」と考える人は多いのですが、東京商工会議所は試験要項に次のように明記しています。
※2級からの受験や、2・3級の併願受験も可能です。
受験資格には学歴・年齢・性別・国籍による制限がありません。3級の合格は2級の受験条件ではありません。
そして、意外に知られていないのが2級と3級で試験の形が同じという点です。
| 3級 | 2級 | |
|---|---|---|
| 出題形式 | 多肢選択式 | 多肢選択式(同じ) |
| 試験時間 | 90分 | 90分(同じ) |
| 合格基準 | 100点満点の70点以上 | 100点満点の70点以上(同じ) |
| 受験料(IBT) | 5,500円 | 7,700円 |
| 受験料(CBT) | 5,500円+利用料2,200円 | 7,700円+利用料2,200円 |
| 合格率(2025年度) | 47.6% | 39.8% |
違うのは範囲の広さと深さだけです。形式に慣れるために3級を受ける、という理由は成立しません。
併願にいくらかかるか
同じ試験期間内に2級と3級の両方を申し込めます。費用は単純な足し算です。
| 方式 | 3級のみ | 2級のみ | 併願 |
|---|---|---|---|
| IBT | 5,500円 | 7,700円 | 13,200円 |
| CBT | 7,700円 | 9,900円 | 17,600円 |
CBT方式は級ごとに利用料2,200円がかかるので、併願すると利用料も2回分になります。自宅で受けられるIBT方式のほうが、併願の費用差は小さくなります。
併願する意味があるのは、どんな人か
併願は「保険」として機能します。2級だけ受けて落ちると次の回まで何も残りませんが、併願していれば3級が残ります。合格率が2級39.8%・3級47.6%なので、2級が不安な人ほど保険の価値が出ます。
一方で、併願が無駄になる場合もはっきりしています。
併願する価値がある人
- 法務の実務経験がなく、2級に受かる自信が持てない
- 会社に「何級でもよいので取得」と言われている
- 次の受験機会(年2回)まで待てない事情がある
2級だけでよい人
- 履歴書に書くのが目的(2級が評価される級で、3級を併記する意味は薄い)
- 法学部出身、または契約・法務の実務経験がある
- 5,500円を教材に回したい
▶️ 2級に受かれば3級は要りません。 上位級が下位級を包含する試験なので、「3級も持っている」ことに追加の価値はほとんどありません。併願は実力への不安に対する保険であって、キャリア上の積み上げではないと割り切ってください。
いきなり2級で受かるか
範囲は3級より広く、深くなります。2級の出題は契約・財産・企業間取引・消費者保護・情報とデジタル・広告と金融・担保・債権回収と倒産・紛争解決と組織・従業員と社会といった領域にまたがり、条文単位の判断を求められます。
ただし、3級の内容は2級の範囲に含まれています。3級を受けずに2級のテキストから始めても、3級で学ぶ基礎はその中で扱われます。「3級を飛ばすと基礎が抜ける」ということはありません。
抜けやすいのは基礎ではなく民法の全体像です。2級は民法を土台にした問題が多く、ここが薄いと個別論点をいくら覚えても正解が安定しません。法学部出身でない人が2級から入る場合、最初に民法の構造(総則・物権・債権)を1周する時間を確保してください。
IBTとCBT、どちらを選ぶか
2級・3級はIBT方式(自宅などで自分のパソコンを使う)とCBT方式(テストセンター)の両方が用意されています。
| IBT | CBT | |
|---|---|---|
| 場所 | 自宅や会社等(機材は自分で用意) | 全国のテストセンター |
| 追加費用 | なし | 2,200円 |
| 開始時間 | 10:00〜11:45/13:00〜15:45/17:00〜19:00 の中で15分ごとに選択(申込先着順) | 会場ごとに10:00〜19:00の間で設定 |
IBTは追加費用がかからない代わりに、カメラ・マイク・通信環境を自分で用意し、試験前に本人確認と受験環境の確認を受けます。自宅の環境に不安があるならCBTのほうが確実です。併願するなら、IBTのほうが4,400円安く済みます。
なお申込は先着順で開始時間を選ぶ方式なので、希望の時間帯があるなら申込開始日に動く必要があります。2026年の場合、第59回は5月15日10:00から、第60回は9月16日10:00からの申込でした。
2級の演習をどこから始めるか
級を決めたら、あとは範囲を回すだけです。ぴよパスではビジネス実務法務検定2級のオリジナル練習問題を分野別に無料公開しています。
- ビジネス実務法務検定2級の練習問題(契約・財産・企業間取引・消費者保護ほか10分野)
- ビジネス実務法務検定3級の練習問題
併願する場合は、3級を先に一巡してから2級に入るのではなく、2級の範囲を回しながら3級の模試で仕上がりを測るほうが効率的です。3級の内容は2級に含まれているので、2級の学習がそのまま3級の対策になります。逆はなりません。
まとめ
- 東京商工会議所が「2級からの受験や、2・3級の併願受験も可能」と明記している
- 形式は2級も3級も同じ(多肢選択式・90分・100点満点の70点以上)。形式慣れのために3級を受ける必要はない
- 併願の費用はIBT 13,200円 / CBT 17,600円。CBTは利用料が2回分かかる
- 併願は実力への保険。2級に受かれば3級は要らない
- いきなり2級でも基礎は抜けない。抜けやすいのは民法の全体像
- 申込は先着順で時間帯を選ぶ方式。希望があれば申込開始日に動く
出典
- 東京商工会議所「ビジネス実務法務検定試験® 試験要項」(IBT方式・CBT方式の試験期間/試験形式・時間/受験料/受験資格「2級からの受験や、2・3級の併願受験も可能です」の記載/開始時間の選択方法)
- 同 各級の基準・出題範囲・合格基準(100点満点の70点以上)
- 同 受験者データ(2025年度 2級39.8%・3級47.6%)
編集部の見方:「3級から順に受けるべきか」は検索でよく見かける問いですが、公式の試験要項に併願可・2級からの受験可と1行で書かれています。形式・時間・合格基準まで同じなので、級を分ける理由は範囲の広さだけです。費用対効果で判断できる問題なので、この記事では感覚ではなく金額と合格率で整理しました。










