個人情報保護士の教材選びには、他の資格にはあまり無い制約があります。得意な側の教材を厚くしても、合否がまったく動かないことです。
合格基準は公式の記載で「課題Ⅰ・課題Ⅱ各課題正答率70%以上」。課題Ⅰ は個人情報保護法とマイナンバー法、課題Ⅱ は情報セキュリティです。法務の仕事をしている人が法令書を買い足しても、情報システムの人がセキュリティ本を買い足しても、動くのは苦手なほうだけです。
だから 1 冊目は「両方が入っているもの」から選びます。
実施団体の公式ページには 5 冊が載っている
一般財団法人 全日本情報学習振興協会の書籍紹介ページに掲載されているのは、5 冊です。
| 発行 | 書名 | 定価(税込) | ページ数 |
|---|---|---|---|
| 全日本情報学習振興協会 | 改正法対応 個人情報保護士認定試験 公認テキスト | 2,420円 | A5判515ページ |
| マイナビ出版 | 改訂新版 個人情報保護士認定試験 公式精選問題集 | 2,420円 | A5判336ページ |
| 日本能率協会マネジメントセンター | [改訂第8版] 個人情報保護士認定試験 公式テキスト | 2,750円 | A5判452ページ |
| 日本能率協会マネジメントセンター | [改訂第6版] 個人情報保護士認定試験 公式精選過去問題集 | 2,860円 | A5判492ページ |
| U-CAN | ユーキャンの個人情報保護士 これだけ!一問一答集 第3版 | 1,980円 | A5判368ページ |
▶️ 1 冊目は協会自身が発行しているものではなく、課題Ⅰ・課題Ⅱ の両方が入っているテキストから選びます。理由は上に書いたとおりで、範囲を分断しないことが最優先だからです。
このうちこの記事で軸に据えるのは次の 3 冊です。
| 役割 | 何のため | 書名 |
|---|---|---|
| 公式テキスト | 課題Ⅰ・課題Ⅱ を 1 冊で通す | [改訂第8版] 個人情報保護士認定試験 公式テキスト |
| 公式問題集 | 100 問 × 2 回分で本番形式に慣れる | 改訂新版 個人情報保護士認定試験 公式精選問題集 |
| 公式過去問題集 | 演習量を足して仕上げる | [改訂第6版] 個人情報保護士認定試験 公式精選過去問題集 |
残る 2 冊の位置づけ
⚠️ ユーキャンの一問一答集(○×600問)は、演習量としては多いのですが、課題の別なく○×を積む形式です。この試験の合否は課題Ⅰ・課題Ⅱ それぞれ 70% で決まるので、一問一答では「どちらの課題が 70% に遠いか」を測れません。測るのは 100 問を通しで解くほうです。知識の詰めには使えますが、現在地の測定には向きません。
⚠️ 協会発行の公認テキストは 2022年改正法への対応をうたうもので、上の公式テキストと役割が重なります。両方を買う必要はありません。
1. 公式テキスト — 範囲を分断しない 1 冊目
課題Ⅰ・課題Ⅱ の両方が 1 冊に入っているので、範囲の地図を先に作る用途に向きます。452 ページと厚みがありますが、100 問の試験で 2 分野それぞれ 70% を求められることを考えると、この分量は過剰ではありません。
実務で個人情報を扱う担当者がそのまま社内資料として使える構成でもあるので、資格取得だけが目的でない場合にも無駄になりにくい 1 冊です。
2. 公式精選問題集 — 100 問 × 2 回分
この試験の教材でいちばん代わりが効かないのがこれです。理由は演習量ではなく、本番と同じ 100 問という単位で解けることにあります。
公式が無料公開しているのは参考問題 24 問だけなので、「100 問を 150 分で解く」という体験は、この問題集を買うか通し模試を使うかしないと本番当日が初回になります。1 問あたり 90 秒という配分は、実際にやってみると課題Ⅱ で詰まったときの取り返しが効きにくいことが分かります。
3. 公式精選過去問題集 — 演習量を足す段階で
492 頁と演習量が多いので、テキストと問題集を終えた後の詰めに向きます。前回不合格で出題のされ方を掴み直したい場合も、まとまった量に当たれるのはここです。
※価格・評価・在庫は変動します。上記は Amazon アソシエイトのリンクです。改訂年と対応法令の時点は、購入前に商品ページで確認してください。
買う順番と、買わなくていいもの
- 公式テキストを 1 冊(範囲の地図を作る)
- 課題別の正答率を測る(ここで初めて何が足りないか決まる)
- 弱い課題を演習で埋める(無料の練習問題でも足りる部分)
- 公式精選問題集で 100 問を通す(時間配分は本番前に必ず 1 回)
3 冊すべてを最初に買う必要はありません。2 の測定を飛ばして買い足すと、得意なほうの教材が増えるだけになりがちです。
JIS Q 15001(プライバシーマークの規格)の解説書は、この試験のために買う必要はありません。試験範囲の接地先は個人情報保護法・マイナンバー法の条文と、個人情報保護委員会が公開しているガイドラインです。ガイドラインは通則編・外国第三者提供編・確認記録義務編・仮名加工情報/匿名加工情報編とも無償で読めます。
教材を読んだ範囲は、その日のうちに問題の形で確認する
テキストを読んだだけだと、条文の数字(「30 日以内」なのか「3 年」なのか、報告先はどこか)は驚くほど残りません。読んだ範囲をその日のうちに問題で当たると定着が変わります。
個人情報保護士の練習問題 476 問は、解説に条文の番号を入れてあるので、間違えたときにテキストのどこへ戻ればよいかがそのまま分かります。課題Ⅰ に 325 問・課題Ⅱ に 151 問を配置していて、課題ごとの正答率が出るので、上の手順 2 の「測る」もここで済みます。
問題は 2026 年 4 月 1 日時点で施行されている条文から作成しています。
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