個人情報保護士認定試験を対策しようとすると、最初に壁にぶつかるのは知識ではなく演習量です。
本番は 100 問 150 分(課題Ⅰ 50 問 + 課題Ⅱ 50 問)。ところが実施団体である一般財団法人 全日本情報学習振興協会が公開している問題は、参考問題 1 セット・計 24 問(課題Ⅰ 15 問 + 課題Ⅱ 9 問)だけです。回ごとの過去問アーカイブはありません。
つまりこの試験は、公式だけでは通しの 100 問を一度も解けない構造になっています。しかも参考問題の内訳は課題Ⅰ 15 問・課題Ⅱ 9 問で、本番の 50 問ずつという比率とも違います。
演習量が足りないと、この試験では特に落ちやすい
演習不足がそのまま不合格に直結しやすいのは、合格基準の作りによります。公式の記載はこうです。
合格基準:課題Ⅰ・課題Ⅱ各課題正答率70%以上
総合で 70% ではありません。課題ごとに 70% です。100 問中 70 問正解しても、内訳が課題Ⅰ 45 問・課題Ⅱ 25 問だったら不合格になります。
| 内訳 | 課題Ⅰ | 課題Ⅱ | 合計 | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| A さん | 45/50 (90%) | 25/50 (50%) | 70/100 | ✗ 課題Ⅱ が 70% 未満 |
| B さん | 35/50 (70%) | 35/50 (70%) | 70/100 | ○ 両方 70% |
| C さん | 50/50 (100%) | 34/50 (68%) | 84/100 | ✗ 課題Ⅱ が 2 問足りない |
同じ 70 点でも A さんは落ちて B さんは受かります。C さんに至っては 84 点で不合格です。
法務畑の人は課題Ⅰ が、情報システム畑の人は課題Ⅱ が先に仕上がります。得意なほうを伸ばしても合否は 1 ミリも動きません。動くのは苦手なほうだけです。だから「どちらが何%か」を早い段階で数字にしておく必要があり、そのためにはある程度まとまった問題数が要ります。24 問、しかも課題Ⅱ は 9 問しかないので、課題別の正答率を安定して測ることはできません。
(合格基準の読み方だけを詳しく知りたい場合は 課題Ⅰ・課題Ⅱ 各 70% の意味 にまとめています。)
ぴよパスの 476 問は 7 カテゴリに分けてある
個人情報保護士の練習問題は、オリジナルの予想問題を 476 問公開しています。公式の出題範囲(課題Ⅰ 11 編・課題Ⅱ 4 編)を、学習単位として扱いやすい 7 カテゴリに再編しました。
課題Ⅰ 個人情報保護法とマイナンバー法の理解(325 問)
| カテゴリ | 問題数 | 対応する公式の編 |
|---|---|---|
| 個人情報保護法の総説と定義 | 65 問 | 第 1〜2 編 |
| 個人情報に関する義務 | 65 問 | 第 3 編 |
| 個人データに関する義務 | 65 問 | 第 4〜5 編 |
| 保有個人データ・仮名加工情報・匿名加工情報 | 65 問 | 第 6〜8 編 |
| 実効性の担保・行政機関等・マイナンバー法 | 65 問 | 第 9〜11 編 |
課題Ⅱ 個人情報保護の対策と情報セキュリティ(151 問)
| カテゴリ | 問題数 | 対応する公式の編 |
|---|---|---|
| 脅威と対策・組織的人的セキュリティ | 75 問 | 第 1〜2 編 |
| オフィス・情報システムセキュリティ | 76 問 | 第 3〜4 編 |
本試験の過去問ではなく、出題範囲から独自に作成したオリジナル予想問題です。
解説には条文の番号を入れてある
課題Ⅰ の 11 編は、個人情報保護法の条文構造そのものです。編と条が素直に対応しているので、解説に条番号を書いておけば「どこに戻ればいいか」がその場で分かります。
たとえば「利用目的を変更できる範囲」を間違えたなら第 17 条第 2 項、「安全管理措置」なら第 23 条、「漏えい等の報告」なら第 26 条、というように、解説からそのまま条文に戻れます。
条文は e-Gov 法令 API から、2026 年 4 月 1 日時点で施行されている版を取得して作成しました。日付を切って取っているのには理由があります。マイナンバー法には令和 8 年法律第 12 号「所得税法等の一部を改正する法律」による改正が 2026 年 4 月 1 日に施行されており、単に「現行法」として取ると基準日より後の改正が混ざる可能性があるためです。
課題Ⅱ のほうは法令ではなく実務知識なので、接地先が変わります。個人情報保護委員会が公開しているガイドライン(通則編・外国第三者提供編・確認記録義務編・仮名加工情報/匿名加工情報編)と、IPA の公開資料に寄せています。いずれも無償で読めるので、解説から一次資料に飛べます。
150 分をどう使うか
100 問 150 分は、1 問あたり 90 秒です。4 肢択一としては短くはありませんが、課題Ⅱ には具体的な場面を読ませる問題が混ざるので、実際には課題Ⅰ を巻いて課題Ⅱ に時間を渡す配分になります。
目安として、課題Ⅰ 50 問を 60 分、課題Ⅱ 50 問を 75 分、見直しに 15 分。課題Ⅰ は条文を覚えていれば即答できる問題の比率が高く、時間を作りやすい側です。
第 84 回は令和 8 年 9 月 27 日(日)10 時 00 分〜12 時 45 分に実施されます。試験時間 150 分に対して枠が 165 分あるのは、説明の時間が含まれるためです。受験料は一般 11,000 円・学割 8,800 円(税込)で、CBT 受験は +1,500 円、オンライン IBT 受験は +3,000 円です。
一巡してから何を見るか
476 問を一巡したら、見るのは総合正答率ではなくカテゴリ別の正答率です。
合否は課題単位で決まるので、まず 7 カテゴリを課題Ⅰ 5 つ・課題Ⅱ 2 つにまとめて、どちらの課題が 70% に遠いかを出します。遠いほうだけを、カテゴリ単位でさらに細かく見ます。
このとき「70% を少し超えている」カテゴリは安心してよい水準ではありません。本番では初見の問題が出ますし、公式が「問題の難易度により調整」と書いているとおり基準そのものにも幅があります。通しの模試で両課題とも 80% 前後まで来ていれば、当日の揺れを吸収できます。
本番と同じ 100 問 150 分の通し模試も用意しています。採点は総合点ではなく、課題Ⅰ・課題Ⅱ をそれぞれ 70% で判定するので、実際の合否と同じ形で結果が出ます。
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