結論:やり直す前に、落ちた側を特定できる
個人情報保護士に落ちたあと、いきなり最初からテキストを読み直す人がいます。この試験ではそれが最も効率の悪いやり方です。
理由は合格基準にあります。全日本情報学習振興協会の記載はこうです。
100問(課題Ⅰ・課題Ⅱ各50問ずつ)/150分 合格基準:課題Ⅰ・課題Ⅱ各課題正答率70%以上
▶️ 総合点では落ちません。課題ごとに落ちます。 つまり不合格だった人は、課題Ⅰと課題Ⅱのどちらか(あるいは両方)で70%を割ったわけで、割っていない側をやり直しても得点は動きません。
そして、どちらで割ったかは自分で調べられます。
解答速報が、課題別に分かれて出る
協会は試験後に解答速報を公開しています。ここが重要なのですが、その並びが課題ごとに区切られています。
- Ⅰ.個人情報保護法とマイナンバー法の理解 … 問1〜50
- Ⅱ.個人情報保護の対策と情報セキュリティ … 問51〜100
▶️ 問題番号と課題が1対1で対応しています。 前半50問が課題Ⅰ、後半50問が課題Ⅱ。だから自己採点の結果を50問ずつに割るだけで、課題別の正答率が出ます。
| 自分で出せるもの | 出し方 |
|---|---|
| 課題Ⅰの正答率 | 問1〜50 の正解数 ÷ 50 |
| 課題Ⅱの正答率 | 問51〜100 の正解数 ÷ 50 |
| どちらで70%(35問)を割ったか | 上の2つを35問と比べる |
🔴 35問が境目です。 各課題50問の70%は35問なので、34問以下だったほうが落ちた側です。
⚠️ 協会は解答速報について「※本解答速報は、修正される場合がございますので、あらかじめご了承ください。」と注記しています。自己採点はあくまで目安として使ってください。
⚠️ 合格発表そのものはマイページから確認する形です。課題別の得点が通知されるかどうかは公式に記載がありません。だからこそ、解答速報での自己採点が、落ちた側を知る現実的な手段になります。
自己採点で分かる3つのパターン
割った側が分かると、次にやることが変わります。
| 結果 | 状態 | 次にやること |
|---|---|---|
| 課題Ⅰだけ34問以下 | 法律側で落ちた | 条文の並びを追い直す。範囲は広いが、無料の一次資料で埋まる |
| 課題Ⅱだけ34問以下 | セキュリティ側で落ちた | 範囲が狭いので戻りが早い。編ごとに潰す |
| 両方34問以下 | 演習量そのものが不足 | 片方ずつ35問に乗せる。同時に上げようとしない |
▶️ 課題Ⅱだけで落ちた人は、実はいちばん立て直しが速い位置にいます。課題Ⅱは4つの編(脅威と対策/組織的・人的セキュリティ/オフィスセキュリティ/情報システムセキュリティ)で、課題Ⅰの11編に比べて範囲が狭いからです。
▶️ 課題Ⅰだけで落ちた人は、条文の並び順がそのまま学習順になります。
🔴 両方で落ちた場合、同時に上げようとしないでください。 30問の余裕が課題をまたいで持ち越せない構造なので、片方を35問に乗せてからもう片方に移るほうが、途中の状態が安定します。合格基準の構造そのものは別記事にまとめています。
「難易度により調整」がある
合格基準には但し書きが付いています。
※ただし、問題の難易度により調整し、正答率70%以下でも合格とする場合があります。
▶️ 自己採点で34問だった人が、必ず落ちているとは限りません。 調整の幅も条件も公表されていないので、自己採点は「どちらが弱いか」を知るために使い、合否の断定には使わないのが正しい使い方です。
⚠️ 解答速報自体にも「※本解答速報は、修正される場合がございますので、あらかじめご了承ください。」と注記が付いています。採点は動くことがあります。
🔴 結果を待っていると、次回の申込に間に合わないことがある
自己採点を当日のうちにやる理由は、学習計画だけではありません。日程が詰まっています。
協会のよくある質問には、合格発表の時期がこう書かれています。
基本的に試験日の1か月後の正午に合格発表を行います。 協会の営業日外に重なる場合は翌営業日の正午となります。
これを実際の日程に当てはめます。
| 日付 | |
|---|---|
| 第84回 試験日 | 2026年9月27日(日) |
| 合格発表(試験日の1か月後の正午) | 2026年10月27日(火)正午 |
| 第85回 申込締切 | 2026年10月29日(木) |
▶️ 発表から締切まで2日しかありません。
🔴 合否を見てから次を申し込む、という順番だと間に合わない可能性があります。 落ちていた場合に次の回を受けるつもりなら、発表を待たずに動く必要があります。だからこそ、当日の自分の解答を控えておいて自己採点する意味があります。
⚠️ 上の日付は第84回・第85回のものです。回ごとに変わるので、必ず公式の試験ページで確認してください。 次回は第85回・2026年12月13日(日)です。
再受験には10%割引がある
もう一度受けると決めたら、料金の話が先です。協会は前回の不合格者向けに割引を用意しています。
前回試験が不合格だった方は「連続チャレンジキャンペーン」が適用され、2回目の受験料が10%割引になります。
▶️ 受験料は一般11,000円(税込)/学割8,800円(税込)なので、10%割引は一般で1,100円分です。
▶️ 申込は専用の「連続チャレンジ お申込みはこちら」から行う形になっています。通常の申込ページから入ると割引の対象になりません。
割引はほかにもあります(対象が違うので、自分がどれに当たるかを先に確認してください)。
| 割引 | 率 | 対象 |
|---|---|---|
| 連続チャレンジ | 10% | 前回試験が不合格だった方 |
| 団体申込 | 最大15% | 10名様から適用 |
| 資格者部会 | 20% | 資格者部会に所属の方 |
🔴 申込導線に罠があります。 協会は注意事項でこう書いています。
個人情報保護士会、資格者部会の会員割引でお申込みされる場合は、個人情報保護士会、又は資格者部会サイトからお申込み下さい。本サイトからのお申込みは割引がされません。
▶️ 会員割引は、申し込む入口を間違えると適用されません。 割引の有無ではなく、どのサイトから入ったかで決まります。
⚠️ 割引どうしを組み合わせられるかは、上記の公式ページには記載がありません。該当しそうなものが複数ある場合は、申込前に協会へ確認してください。
受験方法で追加費用が変わる
受験料とは別に、受験方法ごとの費用がかかります。再受験でここを変える人もいるので、金額を並べておきます。
| 受験方法 | 追加費用(税込) | 中身 |
|---|---|---|
| 公開会場受験 | 0円 | 全国の公開会場でマークシート記載形式 |
| CBT受験 | 1,500円 | 全国のテストセンターのパソコンで受験(会場費) |
| オンラインIBT受験 | 3,000円 | 自宅等で受験(360度全周Webカメラの往復送料) |
🔴 オンラインIBTには機材の条件があります。 協会は「一般的なパソコン内蔵カメラや、視野角の狭い一般市販品カメラの利用はできません」としており、360度全周Webカメラを貸し出す形です。3,000円はその往復送料にあたります。
▶️ 公開会場が0円なので、費用だけで選ぶなら公開会場です。ただし公開会場は開催日時が決まっています。
⚠️ 公開会場で受験する場合は写真が要ります。 「公開会場で受験の場合、写真(縦4cm×横3cm)1枚を受験票に貼付、試験当日にご持参ください」「受験票に本人の写真を貼っていないと受験できません」と明記されています。前回CBTやIBTで受けた人は、ここで初めて必要になります。
申し込む前に確認すること
再受験の申込には、取り返しのつかない条件がいくつかあります。
🔴 取り消せません。
一旦お申し込みをされますと取り消すことはできません。試験への出席、欠席にかかわらず受験料の支払い義務が発生致しますのでご了承下さい。
▶️ 「間に合わなければ欠席すればいい」は成立しません。申し込んだ時点で費用は確定します。
🔴 同じ回の重複申込はできません。
同じ回の重複申込はお断りいたします。
▶️ 「公開会場とCBTの両方に申し込んでおく」といった保険は掛けられません。
🔴 途中退席は棄権になります。
当協会が実施する試験はすべて途中退席不可となります。途中退席をされる場合は「棄権」となりますのでご注意ください。
▶️ 150分を最後まで使い切る前提で臨む必要があります。「手応えがないから途中で出る」は、その回を捨てることと同じです。
⚠️ 受験票は試験実施日の10日前までに届くよう発送・配信されます。 届かない場合は試験実施日の5日前までに協会へ連絡する必要があります(TEL 03-5276-0030/受付9:45〜18:00・土日祝を除く)。受験票がない場合は受験できません。
次の試験までに、演習の量を変える
落ちた側が分かり、申込の段取りも決まったら、あとは中身です。この試験で不合格が続く典型は、読んだ量に対して解いた量が足りていないケースです。
ぴよパスでは個人情報保護士のオリジナル予想問題を無料で公開しています。7つのカテゴリに分かれていて、どのカテゴリが課題Ⅰ側でどれが課題Ⅱ側かが決まっているので、落ちた側だけを続けて回せます。
| 課題 | カテゴリ | 問題数 |
|---|---|---|
| 課題Ⅰ | 個人情報保護法の総説と定義 | 65 |
| 課題Ⅰ | 個人情報に関する義務 | 65 |
| 課題Ⅰ | 個人データに関する義務 | 65 |
| 課題Ⅰ | 保有個人データ・仮名加工情報・匿名加工情報 | 65 |
| 課題Ⅰ | マイナンバー法と行政機関等の取扱い | 65 |
| 課題Ⅱ | 脅威と対策・組織的/人的セキュリティ | 75 |
| 課題Ⅱ | オフィスセキュリティ・情報システムセキュリティ | 76 |
▶️ 課題Ⅱで落ちた人は、下の2カテゴリ(151問)だけを回せば済みます。 課題Ⅰの325問には手を付けなくてよい、というのが自己採点で分かることの実利です。
▶️ 通しで測りたいときは模擬試験を使ってください。本番と同じ100問・150分で、課題Ⅰ・課題Ⅱそれぞれ70%という本番と同じロジックで判定します。総合正答率だけを見ていると、この試験では合否が読めません。
⚠️ カテゴリごとの問題数は、実際の出題配分ではありません。 協会は課題の中での分野別配分を公表していないので、学習しやすさで分けたものです。課題Ⅰ50問・課題Ⅱ50問という本番の枠だけが公表されている数字です。
⚠️ ぴよパスの問題は本試験の再現ではなく、公表されている出題範囲にもとづいて独自に作成した予想問題です。
まとめ
- 落ちる単位は総合点ではなく課題Ⅰ・課題Ⅱそれぞれ70%
- 解答速報は課題Ⅰ(問1〜50)・課題Ⅱ(問51〜100)に分かれて公開される
- だから自己採点すれば、どちらで割ったかを自分で特定できる。境目は35問
- ただし「難易度により調整」の但し書きがあるので、合否の断定には使わない
- 課題Ⅱだけで落ちた人は立て直しが速い(4編。課題Ⅰは11編)
- 両方で落ちたら、片方ずつ35問に乗せる。同時に上げようとしない
- 再受験は連続チャレンジキャンペーンで10%割引(前回不合格者)
- 🔴 会員割引は入口で決まる。「本サイトからのお申込みは割引がされません」
- 受験方法の追加費用は公開会場0円/CBT 1,500円/オンラインIBT 3,000円
- 🔴 合格発表は試験日の約1か月後の正午。次回の申込締切まで2日しかない回がある(第84回→第85回)
- 途中退席は「棄権」。150分を使い切る前提で臨む
- 申込は取り消せず、欠席でも支払い義務が発生。同じ回の重複申込は不可
出典
- 一般財団法人 全日本情報学習振興協会「個人情報保護士認定試験」 — 問題数および合格基準(100問・課題Ⅰ/課題Ⅱ各50問ずつ・150分、課題Ⅰ・課題Ⅱ各課題正答率70%以上、問題の難易度により調整し正答率70%以下でも合格とする場合がある旨)、課題Ⅰ・課題Ⅱの編構成、受験料(一般11,000円/学割8,800円)、受験方法に関する費用(公開会場0円/CBT1,500円/オンラインIBT3,000円)、オンラインIBTの360度全周Webカメラに関する条件、連続チャレンジキャンペーン(前回試験が不合格だった方は2回目の受験料が10%割引)、団体申込(10名様から・最大15%割引)、資格者部会(20%割引)、お申込みに関する注意事項(取消不可・出席欠席にかかわらず支払い義務、会員割引は個人情報保護士会/資格者部会サイトからの申込みが必要で本サイトからは割引がされない旨、受験票の発送時期と未着時の連絡期限、公開会場での写真の貼付)
- 同「合格発表」 — 合格発表はマイページから確認する旨
- 同「解答速報」 — 課題Ⅰ(Ⅰ.個人情報保護法とマイナンバー法の理解/問1〜50)と課題Ⅱ(Ⅱ.個人情報保護の対策と情報セキュリティ/問51〜100)に分けた解答の掲載、「※本解答速報は、修正される場合がございますので、あらかじめご了承ください。」の注記
- 同「よくある質問(試験について)」 — 「基本的に試験日の1か月後の正午に合格発表を行います。協会の営業日外に重なる場合は翌営業日の正午となります。」「当協会が実施する試験はすべて途中退席不可となります。途中退席をされる場合は『棄権』となりますのでご注意ください。」
- 同 試験ページ — 第85回の開催日(2026年12月13日)および申込締切(2026年10月29日)、第84回の開催日(令和8年9月27日)
編集部の見方:この試験の不合格記事は「勉強量を増やしましょう」で終わりがちですが、合格基準が課題別である以上、増やす先を間違えると点が動きません。落ちた側を知る手段が無いように見えるのは、合格発表が合否だけを返すからで、実際には解答速報が課題ごとに区切られて公開されています。問題番号と課題が1対1で対応しているので、自己採点の結果を50問ずつに割るだけで課題別の正答率が出ます。ここまで分かってから、範囲の狭い課題Ⅱ側なのか、条文の課題Ⅰ側なのかを決めるほうが、同じ時間でも次の結果が変わります。もう1つ、割引が「入口で決まる」点は金額に直結するので、申し込む前に確認する価値があります。









