日商簿記2級 商業簿記・個別論点 練習問題 第61問: 次の一連の取引について、正しい仕訳の組合せはどれか。当社は収益認識に関する会計基準を適用している。 当社は×5年2月1日、A社と商品Xおよび商品Yを引き渡す1つ
次の一連の取引について、正しい仕訳の組合せはどれか。当社は収益認識に関する会計基準を適用している。 当社は×5年2月1日、A社と商品Xおよび商品Yを引き渡す1つの契約を締結した。対価の総額は800,000円で、独立販売価格にもとづく取引価格の配分額は商品X 300,000円、商品Y 500,000円である。契約書には「対価の総額は商品Xと商品Yの両方の引渡しが完了した後に一括して請求できる」と定められている。当社は×5年3月10日に商品Xのみを引き渡し、翌期の×5年5月20日に商品Yを引き渡した。商品Xの引渡時と商品Yの引渡時の仕訳を答えること。
解答と解説を先に見る(クリックで展開)
正解: 4. 商品X引渡時: (借) 契約資産 300,000 / (貸) 売上 300,000 / 商品Y引渡時: (借) 売掛金 800,000 / (貸) 契約資産 300,000・売上 500,000
収益認識に関する会計基準では、履行義務を充足した時点で収益を認識します。本問の契約には商品Xの引渡しと商品Yの引渡しという2つの履行義務があるため、商品Xを引き渡した×5年3月10日に配分額300,000円の売上を計上します。問題は相手勘定です。売掛金は、対価に対する法的な請求権が確定し、時の経過のみによって支払期日が到来する債権に用います。一方、本問では商品Yも引き渡さなければ請求できないため、対価に対する権利が別の履行義務の充足という条件に左右されます。このような条件付きの権利は「契約資産」として計上します。商品Yを引き渡した×5年5月20日には、Y分の売上500,000円を計上するとともに、これで総額800,000円の請求権が無条件のものとなるため、契約資産300,000円を売掛金に振り替え、借方に売掛金800,000円を計上します。よって選択肢4が正解です。選択肢1は商品X引渡時から売掛金を計上していますが、この時点ではまだ請求できず無条件の権利ではないため、契約資産とすべきです。契約資産と売掛金を区別する意味は、貸借対照表の利用者に対価回収の確実性の違いを伝える点にあります。選択肢2は商品X引渡時に仕訳を行わず、対価を一括請求できる時点まで収益認識を遅らせていますが、収益は履行義務を充足した時点で認識するのが原則で、代金の請求時期とは切り離して考えます。選択肢3は貸方に契約負債を用いていますが、契約負債は対価をすでに受け取ったか、または対価の支払期限が到来しているのに財・サービスを未提供である場合に計上する負債であり、本問のように先に商品を引き渡した場合には生じません。加えて履行義務を充足した商品Xについて売上が計上されない点も誤りです。
関連キーワード: 収益認識・契約資産・売掛金・履行義務・契約負債
次のステップ
この問題が解けたら、本試験はどうですか?
本番形式の模擬試験で実力チェックPremium (月480円)本番と同じ制限時間
他の科目もチェック
解いた後に読みたい解説記事
- 簿記2級
日商簿記2級は独学か通信講座か|工業簿記でつまずく人の判断軸と費用比較
日商簿記2級を独学で進めるか通信講座を使うか、工業簿記でつまずく人向けに判断軸を整理。市販テキスト独学と通信講座の費用比較、3級保有や数字への苦手意識など適性チェック、挫折しやすい論点と切り替えの目安を編集部がまとめます。
- 簿記2級
簿記2級 予想問題 311 問の使い方|工業簿記で 4 割を取りにいく演習設計
日商簿記2級の公式が公開しているのはネット試験のサンプル問題で、年度別の過去問がまとまって手に入る形ではありません。90 分・70% 合格の試験に対し、商業簿記 3 分野 + 工業簿記 2 分野の予想問題 311 問で「仕訳の速度」と「工業簿記の得点率」を作る使い方をまとめました。
- 簿記2級
日商簿記2級 商業簿記の決算整理|有価証券・税効果・一年基準の落とし所
日商簿記2級の商業簿記でつまずきやすい決算整理を論点別に整理。有価証券の保有目的別処理、税効果会計、一年基準による表示区分、当座借越、200%定率法、商品評価損の表示までを式と理由で解説します。


