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独学でいける人は、第二種の土台と技能を直せる環境がある
第一種電気工事士は、独学で合格できる人がいます。ただし、誰でも同じように独学で押し切れる試験ではありません。
分かれ目は、根性より環境です。
| 状態 | 独学の現実 |
|---|---|
| 第二種電気工事士に合格済み | 学科は独学で進めやすい。技能も練習の型を作りやすい |
| 第二種の学科だけ経験あり | 電気理論・配線図は使える。技能は別で練習量が必要 |
| 電気工事の実務経験あり | 器具や施工の感覚があるので、独学の成功率が上がる |
| 完全初学者 | 第一種から直接入ると、学科用語と技能作業が同時に重くなる |
| 施工を見てくれる人がいない | 欠陥判定で詰まりやすい。録画や講座で補助したい |
第一種の学科は、テキストと過去問で進められます。問題は技能です。複線図を描き、支給材料を加工し、60分以内に完成させ、欠陥がないか自分で見る。この最後の「自分で見る」が独学のいちばん難しいところです。
だから、独学でいくなら次の条件を満たしたいです。
- 第二種レベルの電気理論と複線図が分かる
- 候補問題10問を最低1周、できれば2周作れる
- 自分の作品を写真や動画で見直せる
- 欠陥の判断基準を読みながらセルフチェックできる
- 実務経験3年以上の免状条件を、試験後の話として分けて考えられる
この5つが見えている人は、独学でかなり戦えます。逆に、1つ目と3つ目が怪しいなら、第二種から作るか、技能だけ動画講座を足す方が安全です。
学科は独学向き。ただし第一種の追加範囲を先に見る
第一種電気工事士の学科試験は、四肢択一方式で50問、試験時間は140分です。電気技術者試験センターの案内では、一般問題40問程度、配線図問題10問程度とされています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出題形式 | 四肢択一方式 |
| 出題数 | 50問 |
| 試験時間 | 140分 |
| 問題構成 | 一般問題40問程度、配線図問題10問程度 |
| 方式 | CBT方式または筆記方式 |
第二種の学習経験がある人は、最初から全範囲を同じ濃さで読む必要はありません。第二種と重なる部分を軽く確認し、第一種で増える範囲に早めに触れます。
第一種で増える感覚が強いのは、次のあたりです。
| 範囲 | つまずきやすい理由 |
|---|---|
| 受電設備 | キュービクル、変圧器、遮断器など、実物を見ていないと像が浮かびにくい |
| 自家用電気工作物の検査 | 第二種より保安・点検寄りの言葉が増える |
| 発電・送電・変電の基礎 | 住宅配線だけの感覚では遠く感じる |
| 保安に関する法令 | 一般用電気工作物等と自家用電気工作物を分けて読む必要がある |
| 配線図 | 学科で読めないと、技能の複線図にも響く |
過去問は「正解番号」より、設備の絵を作るために使う
第一種の学科で、ただ暗記しているだけだと苦しくなるのは、設備のイメージが足りない範囲です。
過去問を解くときは、正解したかどうかだけで終わらせません。
| 解いた後に見ること | 理由 |
|---|---|
| その機器がどこにあるか | 受電設備全体の中の位置が分かる |
| 何を守るための装置か | 保護継電器、遮断器、接地の意味がつながる |
| 第二種で見た知識とどう違うか | 低圧配線と自家用設備を混ぜないため |
| 配線図なら、電源から負荷まで追えるか | 技能の複線図へつながる |
計算問題も同じです。公式を丸暗記するより、単相か三相か、力率が絡むのか、変圧器なのか、先に場面を見ます。場面が分かれば、式はかなり出しやすくなります。
学科の点は、得意分野で先に60点へ乗せる
学科は満点を狙う試験ではありません。まず60点ラインへ乗せる設計にします。
| 得点源にしやすい範囲 | 進め方 |
|---|---|
| 第二種と重なる電気理論 | 公式と単位を短く復習する |
| 施工方法・材料工具 | 過去問で頻出語を固める |
| 配線図 | 記号、器具、電源から負荷の流れを見る |
| 法令 | 一般用電気工作物等と自家用電気工作物を分ける |
| 受電設備 | 図や動画で機器の配置を先に見る |
苦手な計算に長く沈むより、得点にしやすいところを先に固めます。特に第二種合格者は、復習で取れる点を早く戻してから、第一種の追加範囲へ時間を使う方が効きます。
技能は「作れる」より「欠陥を自分で見つけられる」か
第一種の技能試験は、学科合格者または学科免除者が受けます。公式の技能候補問題ページでは、令和8年度の第一種候補問題としてNo.1からNo.10が公表されています。試験時間は、すべての問題について60分の予定です。
独学で怖いのは、作業そのものより欠陥チェックです。
| 技能でやること | 独学の難しさ |
|---|---|
| 単線図を読む | どこから複線図にするか迷う |
| 複線図を書く | 配線が増えると時間を使う |
| 電線を切る | 寸法ミスが後半で響く |
| 圧着・接続する | 刻印、被覆、差込み不足を見落とす |
| 作品を見直す | 欠陥かどうかの判断が独学だと曖昧になる |
技能は、テキストを読んだ量では合格しません。候補問題を実際に作って、時間を測って、写真を撮って、欠陥の判断基準と照らす必要があります。
最初の1周は時間より、手順を固定する
候補問題10問の1周目から60分を狙うと、手が雑になりやすいです。
1周目は、次の順で固定します。
- 単線図を見る
- 複線図を書く
- 必要な電線と器具を出す
- 寸法を決めて切る
- 接続する
- 欠陥の判断基準で見直す
- 写真を撮って、あとで気づいたミスを書き残す
速さは2周目で作ります。1周目は、毎回違う手順で作らないことが大事です。手順が毎回変わると、本番で焦ったときに崩れます。
60分練習は、複線図と施工を分けて測る
第一種は60分あります。ただし、長いから楽という意味ではありません。
| 練習段階 | 目安 |
|---|---|
| 複線図だけ | 10〜15分で書けるようにする |
| 施工だけ | 45〜50分で完成へ持っていく |
| 通し練習 | 60分以内で完成 + 見直しまで入れる |
| 本番前 | 10問のうち苦手問題だけ再施工する |
独学では、完成した作品を「なんとなく大丈夫」で終えがちです。ここで落ちます。欠陥の判断基準、技能試験の概要と注意すべきポイントを読み、被覆、圧着、接続、寸法、器具付けを毎回同じ目で見ます。
第二種経験あり・なしで学習時間を分ける
第一種の独学時間は、全員同じではありません。第二種の経験があるかで、必要な時間が大きく変わります。
| スタート地点 | 学科の目安 | 技能の目安 | 進め方 |
|---|---|---|---|
| 第二種合格済み | 60〜100時間 | 40〜70時間 | 第一種追加範囲と技能候補10問へ集中 |
| 第二種学科だけ合格済み | 90〜130時間 | 50〜80時間 | 技能の基本動作を先に作る |
| 電気系実務あり | 40〜80時間 | 30〜60時間 | 知識の穴を過去問で確認 |
| 完全初学者 | 150時間以上 | 70時間以上 | 第二種から入る方が短くなることがある |
完全初学者が第一種だけを急ぐと、学科で自家用設備を覚えながら、技能で工具作業も覚えることになります。これは重いです。
第二種を先に取ると、遠回りに見えても、次のものが残ります。
| 第二種で残る土台 | 第一種で効く場面 |
|---|---|
| 電気理論の基礎 | 学科の計算問題 |
| 配線図の読み方 | 学科の配線図、技能の複線図 |
| 工具の扱い | 技能の施工スピード |
| 欠陥の感覚 | 第一種技能のセルフチェック |
| 試験当日の動き | CBTや技能本番の緊張対策 |
第一種は上位資格ですが、第二種を飛ばすほど効率がよいとは限りません。試験合格後に第一種免状を受けるには実務経験も絡むので、現場に入る入口として第二種を使う考え方はかなり自然です。
2026年度の日程で動くなら、上期技能か下期申込を基準にする
2026年5月23日時点では、令和8年度上期の第一種学科CBT期間は終わっています。上期で残っている大きな予定は、2026年7月4日(土)の技能試験です。
下期から受ける人は、申込から逆算します。
| 区分 | 公式日程 |
|---|---|
| 下期申込受付 | 2026年7月27日(月)10時〜8月13日(木)17時 |
| 下期学科 CBT方式 | 2026年9月11日(金)〜10月18日(日) |
| 下期学科 筆記方式 | 2026年10月4日(日) |
| 下期技能試験 | 2026年11月21日(土) |
上期技能が近い人は、新しい教材を増やさない
上期技能まで残り約6週間です。ここからは、教材を増やすより、候補問題10問を手で回します。
| 残り期間 | やること |
|---|---|
| 6〜4週間前 | 候補問題10問を1周。複線図と施工手順を固定 |
| 3〜2週間前 | 苦手問題を再施工。欠陥の判断基準で写真チェック |
| 1週間前 | 60分通し練習。工具、材料、当日の持ち物を確認 |
| 前日 | 新しいことを増やさず、欠陥リストと工具を整える |
技能直前に動画講座を買うなら、全部見るためではなく、苦手な候補問題や欠陥チェックだけを見る使い方にします。直前期に教材を増やすと、練習時間が減ります。
下期から受ける人は、8月までに学科の土台を作る
下期受験なら、7月末の申込までに学科の全体像を一度見ておきます。申込後に初めてテキストを開くと、9月のCBT開始までが短いです。
| 時期 | 学習の軸 |
|---|---|
| 5〜6月 | 第二種の復習、第一種の追加範囲をざっと見る |
| 7月 | 過去問1周、申込準備 |
| 8月 | 受電設備、法令、配線図、計算を補強 |
| 9〜10月 | CBTまたは筆記に合わせて過去問演習 |
| 学科後 | すぐ技能へ。候補問題10問を作る |
技能は学科後に始めると間に合わない人もいます。工具に不安がある人は、学科前から複線図だけでも触っておくと楽になります。
独学だけで止まりやすい場面は、講座をスポットで使う
通信講座を使うかどうかは、独学が偉いかどうかの話ではありません。どこで止まっているかで決めます。独学と講座のどちらが自分に合うか、各社の講座が何を得意とするかを並べて見たい人は、通信講座の比較記事も参考になります。
| 止まり方 | 講座が効きやすい理由 |
|---|---|
| 受電設備の絵が浮かばない | 動画や図で機器の位置関係を見られる |
| 複線図が遅い | 書く順番を目で追える |
| 施工の手順が毎回変わる | 実演で手順を固定しやすい |
| 欠陥かどうか分からない | どこを見るかを視覚的に確認できる |
| 平日の時間が少ない | 見る範囲を絞りやすい |
SATの第一種電気工事士講座は、2026年5月時点の公式掲載で、Eラーニング講座が29,800円(税込32,780円)、DVD講座が39,800円(税込43,780円)、Eラーニング+DVD講座が44,800円(税込49,280円)です。eラーニングの視聴期限と質問サポート期限は2027年12月31日までと案内されています。
ただし、独学できる人まで講座に寄せる必要はありません。
| 独学でよい人 | 講座を足したい人 |
|---|---|
| 第二種合格済みで、技能作品を自分で直せる | 欠陥チェックに自信がない |
| 実務で器具や配線を見ている | 高圧受電設備のイメージがない |
| 平日もまとまった練習時間がある | 学習時間が細切れ |
| 過去問の解説を読めば納得できる | 読んでも手順が見えない |
講座は、全部を任せるものではなく、独学の穴を埋める道具として使うと費用対効果が上がります。特に技能は、動画を見た後に自分で作らないと身につきません。
免状まで考えると、合格後の3年も計画に入る
第一種電気工事士は、試験に合格すれば終わりではありません。試験センターの免状案内では、第一種電気工事士試験合格者が免状を取得するには、3年以上の実務経験が必要とされています。試験合格以前の実務経験も対象になると説明されています。
このため、独学計画も「合格するまで」だけでなく「免状を受けるまで」で考えます。
| 見ること | なぜ大事か |
|---|---|
| 今の職場で実務経験を証明できるか | 合格後の免状申請で止まらないため |
| 第二種免状を先に取るか | 一般用電気工作物等の範囲で経験を積みやすい |
| 実務内容を記録しておくか | あとから証明内容を整理しやすい |
| 会社の証明者を確認するか | 申請時に協力が必要になる |
独学で合格することは十分価値があります。ただ、第一種は「合格証を取る資格」ではなく「現場の幅を広げる資格」です。合格後にどう経験を積むかまで考えておくと、勉強の意味がはっきりします。
ぴよきちメモ
第一種電気工事士の独学は、いける人にはいけます。でも、独学でいける人ほど、最初に自分の弱点をかなり冷静に見ています。
学科で止まる人は、受電設備の絵が頭にありません。技能で止まる人は、作った作品のどこが欠陥かを自分で見られません。ここを見ないまま「独学でいけるはず」と進むと、時間だけが溶けます。
第二種の土台があるなら、第一種の独学はかなり現実的です。完全初学者なら、第二種から入る方が強いです。すでに現場がある人は、独学で合格を狙いつつ、免状申請に必要な実務経験の証明まで早めに確認しておきましょう。
出典・参考























































































































