第二種電気工事士の学科を独学で始めると、多くの人がいきなりテキストの1ページ目から順に読み進め、電気理論の計算でつまずいて止まります。範囲は電気理論・配線設計・施工方法・法令・鑑別と広く、どこから手を付けるかを間違えると、覚えたそばから忘れて時間だけが溶けていきます。
まず試験の全体像を把握しておきましょう。学科は50問・四肢択一で合格基準は60%(30問正解)、受験料は11,100円。近年の合格率は58〜65%で推移しており、適切な順序で学べば独学で十分に合格できます。
学科は30問(60%)取れれば合格です。満点はいりません。だからこそ「全範囲を均等に」ではなく、得点しやすい分野から順に固めて、計算問題で稼げなくても暗記と配線図で30問を作る——この設計図を最初に持っているかどうかで、同じ50〜100時間でも結果が変わります。
この記事で分かること
- 暗記→計算→配線図・複線図→鑑別という、つまずきにくい学習の順番とその理由
- テキスト1冊+予想問題の反復で進める1週間サイクルの回し方
- 初学者60〜100時間を分野ごとにどう配分するかの目安
- 計算が苦手でも30問を確保する「捨て方」の考え方
- 独学でやりがちな失敗と回避策
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学習の順番は「暗記 → 計算 → 配線図・複線図 → 鑑別」
学科の出題は大きく分けて、覚えれば取れる暗記分野(法令・施工方法・配線設計の規定)と、解き方を理解する必要がある計算分野(電気理論)、図を読む配線図、写真や器具名を答える鑑別に分かれます。学習はこの「取りやすい順」で進めると、早い段階から得点が積み上がり、モチベーションも保てます。
| 順番 | 分野 | 中身 | なぜこの順か |
|---|---|---|---|
| 1 | 暗記分野 | 法令・施工方法・電線の許容電流・接地工事の規定 | 計算不要で、覚えれば即得点。最初に手応えが出る |
| 2 | 計算分野 | オームの法則・合成抵抗・力率など電気理論 | 暗記で土台を作った後の方が公式が頭に入る |
| 3 | 配線図・複線図 | 図記号の読み取り・複線図への書き換え | 暗記した器具名と計算の両方を使う総合分野 |
| 4 | 鑑別 | 工具・材料・器具の写真と名称・用途 | スキマ時間でも進められ、配線図とも連動する |
計算(電気理論)を先頭に置かないのがポイントです。ここが一番つまずきやすく、最初に来ると挫折しやすい。先に暗記分野で「30問のうち何問かはもう取れる」状態を作ってから計算に入ると、心理的な負担が大きく下がります。
暗記分野では、頻出の数字を早めに固めます。たとえば接地工事はC種=10Ω以下・D種=100Ω以下、電線の許容電流は直径1.6mm=27A・2.0mm=35A・2.6mm=48A。これらは毎回のように問われる「取りこぼし厳禁」の知識です。配線図に進む前にこの土台があると、図の読み取りも一気に楽になります。
テキストは1冊、予想問題を反復で回す
教材は「テキスト1冊+予想問題集(または本サイトの予想問題)」に絞るのが基本です。複数のテキストに手を出すと進度がバラバラになり、結局どれも仕上がりません。インプット(読む)は最小限にして、アウトプット(解く)に時間を寄せます。読んで分かった気になっても、問題を解くと意外に取れない——この差を埋めるのが演習です。
おすすめは、1週間を1つの分野に当てて回す次のサイクルです。
| 曜日 | やること |
|---|---|
| 1〜2日目 | テキストでその分野を一通り読む(完璧を狙わない) |
| 3〜5日目 | 同じ分野の予想問題を解く。間違いは解説まで読む |
| 6日目 | 間違えた問題だけ解き直す |
| 7日目 | 前の週の分野も含めて混ぜて解き、忘れを確認 |
このサイクルだと、1分野あたり1週間。暗記・計算・配線図・鑑別を回すと約1か月で一周し、残り期間で予想問題を2周目・3周目に入れます。学科は同じ論点が繰り返し問われるので、新しい問題を追うより、一度解いた問題を確実にする方が得点に直結します。
間違えた問題は必ず記録に残します。番号と「なぜ間違えたか」を一行書いておくだけで、直前期に自分専用の弱点リストになります。記録の付け方は勉強ノートの作り方で具体的に解説しています。
テキスト1冊で進めても計算や配線図でどうしても手が止まるなら、動画で補う選択肢もあります。独学か講座かで迷う段階なら、講座の選び方で映像・入門・技能準備の役割を見比べてから足すか決めるとムダがありません。
50〜100時間をどう配分するか
学習時間の目安は、初学者でおおむね60〜100時間、電気の知識がある経験者で30時間前後です。1日1時間なら約3か月、1日2時間なら約1.5か月で到達します。総量も大事ですが、それ以上に「どの分野に時間を割くか」が結果を分けます。
以下は初学者が80時間を確保できる場合の配分例です(あくまで例。電気が得意なら計算を減らし、暗記が苦手なら暗記を増やすなど調整してください)。
| 分野 | 時間の目安(例) | 狙い |
|---|---|---|
| 暗記分野(法令・施工・配線設計) | 約25時間 | 計算なしで取れる問題を満点近くに |
| 計算分野(電気理論) | 約20時間 | 頻出パターンだけ確実に。難問は捨てる前提 |
| 配線図・複線図 | 約20時間 | 図記号の暗記+複線図への書き換え反復 |
| 鑑別 | 約10時間 | 写真と名称をスキマ時間で繰り返す |
| 総合演習・見直し | 約5時間 | 全分野を混ぜて本番形式で解く |
計算分野は時間をかけたわりに伸びにくい人がいます。その場合は深追いせず、オームの法則・合成抵抗・力率といった頻出の型だけ押さえて、残りは配線図や暗記で補う——30問取れればよいので、計算を全問正解する必要はありません。具体的な時間割は勉強スケジュールも参考にしてください。
独学でやりがちな失敗と回避策
テキストを最初から完璧に読もうとする 1ページ目の電気理論で止まり、配線図や法令にたどり着けないまま試験日が来ます。回避策は、最初の通読は7割の理解で先へ進め、足りない部分は問題を解きながら戻ること。完璧主義は学科の敵です。
計算問題に時間を吸われる 苦手な計算に何時間もかけ、暗記分野や鑑別という「取りやすい得点源」を後回しにしてしまうパターン。回避策は、取りやすい暗記分野を先に固め、計算は頻出パターンに絞ること。
解いて丸付けして終わり 間違えた問題を放置すると、次に同じ問題でまた落とします。回避策は、間違えた問題に印を付け、その週のうちに解き直すこと。誤答こそが一番伸びしろのある教材です。
複線図を後回しにする 配線図・複線図は学科でも問われ、技能試験の土台にもなります。直前まで放置すると間に合いません。回避策は、暗記と計算がある程度固まった段階で、毎日少しずつ書く練習を始めること。
科目別のさらに細かい攻略は科目別攻略、頻出分野の整理はよく出る分野にまとめています。
まとめ
第二種電気工事士の学科は、満点ではなく30問(60%)を取る試験です。受験料11,100円・合格率58〜65%という条件で、適切な方法で進めれば独学で十分に合格できます。
だからこそ「暗記→計算→配線図・複線図→鑑別」の順で取りやすい分野から固め、テキスト1冊+予想問題の反復で回し、計算は頻出パターンに絞って30問を作る——この設計図を最初に持つことが、独学を効率的に進める近道になります。
まず最初の一歩として、本サイトのオリジナル予想問題160問を一度通しで解き、自分がどの分野で何問取れるかを把握してみてください。そこで見えた弱点に時間を寄せれば、80時間の使い道がはっきりします。
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出典:
- 一般財団法人 電気技術者試験センター — 試験概要・出題範囲
- 電気工事士法 — 第二種電気工事士の業務範囲の規定





















































































































